スマホも地図アプリも無くても冒険は出来た❕中国から中央アジア ~シルクロード横断ディープ旅~ ウズベキスタン編⑭
<ヒバ~カラ巡り~ヒバ>~砂漠の真ん中の、朽ち果てる寸前の遺跡を巡り、大自然の中に古代の息吹を感じまくった一日~
《砂漠へのドライブ・360℃のパノラマにあるザ・廃墟のロマン》
翌朝は少し早起きの7時起きで朝食後、4人でチャーターした車で一日ツアーに出かけた。
今日の目的地はカラと呼ばれる砂漠地帯に点在する遺跡だ。車が町を外れどんどん郊外に進んで行くと辺りは一面砂漠になっていった。この辺りの砂漠は中国敦煌のような完全な砂地ではなく、砂の上に細い草が生えているスタイルだ。
1時間半くらい走ると何もない平原に急に丘の上の遺跡が現れた。
それが本日最初の目的地のアヤズ・カラだ。
ここは一番高い丘の上に一番大きな遺跡、そしてそこから見下ろす小さな丘陵の上に中サイズの遺跡があり、そのまた右手の麓に小サイズの遺跡もポツンと見える。ここの遺跡は本当に“ザ・廃墟”といった趣で、殆ど形は残っていないが、丘の上の高台に土で作られた建物の風化したあとが広がっている。
また、その遺跡の中でも一番高い地点に登ると、そこから辺り一帯の平原が360度見渡せ、勿論地平線もはっきりと見える。こんなにも360度何もない所は珍しく、あの中国の敦煌の砂漠以来だ。
辺りは完全に平原地帯で凹凸も殆どないので、この唯一と言って良い高台のここからは数十キロは見渡せる感じだ。
景色の後はこの遺跡をくまなく歩きまわった。
この遺跡自体は風化で崩れていて小さな部屋や窓の跡などが残っているが、何に使われたかなどは見ただけでは分からない。ただここは、変に都市部の手を加えられ続けている有名な遺跡などとは違い、想像を掻き立てられるロマンがある。
俺は観光客で溢れている有名な遺跡などより、こういった遺跡の方が好きだ。
そしてここから見下ろせる中サイズの遺跡までは、この崖を降りて行けば直接行けそうなので、ここから滑るように岩肌を降りて行った。
ここも小さく盛り上がった小山のてっぺんに遺跡があり、上部はぐるっと城壁跡の壁で囲まれていた。壁の左側に回ると隙間がありそこが入口になっていたので入ってみると、また何だか不思議な感じのする場所だった。
かなり入り組んだ設計になっており、まだ形も上のカラよりもしっかりと残っていたので、ここでかくれんぼでも出来そうだった。
その後また崖を降り小サイズの遺跡を見下ろすと、小さいながらきちんと碁盤の目に整理されていた跡が分かりここはかつて計算されて作られた施設だったことが伺える。そこに小さな白いトカゲが信じられない猛スピードで横切ったりしてびっくりした。
そしてちょっと歩いて辺りを見回してみると、乾いた大地だと思っていたのに遠方に湖が見えた。雨など降るんだろうか、こんな場所に。そして水は真っ青に澄み渡り本当に綺麗だ。
ランチタイムになり近くにあるユルタの中で食事を出してくれるところがあるのでそこに行ったが、もうあのお決まりのカッピカッピのパンとか食いたくない俺はお茶だけで食事はパスした。
ただユルタの中の装飾は豪華絢爛で、色とりどりの刺繍がテントの中を埋め尽くしていた。おまけに外は同じ地球上とは思えないくらい暑いのに、テント内は快適な涼しさを保っていた。
その後次の目的地トプラク・カラに向かった。
途中すごい速さでキツネが逃げて行ったりして、退屈することなく砂漠の奥へと進んだ。そしてこのトプラク・カラの遺跡は先ほどの遺跡よりはっきりと形が残っていて、碁盤の目のような街並みがあり、何にはたくさんの小さなトンネルがあり、それが各部屋に繋がっていたりしてそこを歩きながらくぐって探検していると楽しかった。
こんな遠くの異世界の壮大な砂漠の遺跡を探検しているというのに、その時俺の頭に流れていたのは小さい頃よく見ていたTV番組の、”発見・探検・ボ~~ク~のま~ち”のフレーズだった。。。(ある一定の世代以上じゃないと分からないと思うが。。)
そしてまたすぐ近くのフラット・カラという本日最後のカラに行ったが、ここは殆ど風化して何も残っていない感じだったので、俺はさっきのトプラク・カラが一番個人的には良かった。
他にもカラはあるのだが、十分満足した俺達はまっすぐに砂漠を突き抜け町に戻ってきた。
《最後のアラビアンサンセットを噛み締める》
宿でゆっくりして皆で夕飯を食べに行き、シャシュリックとパンとケバブを平らげた。
そして8:00pm頃、今日もまた3日連続となる北門の城壁に登り夕日を見に行った。よく飽きないなと自分でも思うが、あちこち色んな所行って薄っぺらい印象の旅するより、自分がこれだと思った場所や風景にとことんまで絡んだ方がより良く濃い旅になることを今回の旅で改めて学んだので、後悔のないよう今日ヒバ最後の晩もここに来た。
そして今日は俺があまりにもこの風景に魅せられているので、最後の夜という事もあり他の3人も俺に着いてきた。俺はここでもまた過去2日でさんざん撮ったはずの夕焼けに染まったミナレットやモスクを含んだ旧市街の写真を撮ってしまった。これで一通り今回中央アジアでやりたい事はやれたので、満足してここから離れられそうだ。
北京から西へ西へひたすら向かってこのヒバの地に辿り着き、もうこれ以上西へは行かない。本当はイランなどにも行きたかったが、そろそろ予算とも密接な相談が必要な感じだったので、ここから東に戻って旅を終えるのだ。
ある意味これでこの俺のシルクロードは一段落したので、この最後のヒバの夕日はそれにふさわしく、ベタだが浸っていると色々なこれまでの出会った地元人・旅人、景色や街並み、それに旅をより深い思いでしてくれたメチャクチャなハプニングの数々。。
よし、あとちょっとだけウズベキスタンで酔いしれて、旅を終えよう!