DavePerthのオーストラリア生活記&海外旅行記

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スマホも地図アプリも無くても冒険は出来た❕中国から中央アジア ~シルクロード横断ディープ旅~ カザフスタン編④

<アルマティ―~奥地トレッキング②>~人に全く会わない、奥地へのトレッキングで大自然にどっぷり浸かる~

 

 

《ワイルドキャンプ・全て自然の物を使う》

少し休んだ後、荷物をしょってトレッキングを開始した。

まずは湖の方向に山をぐるっと回って行く。とにかく俺の荷物が重い。ヘロヘロになりながら、湖の右側の方に出ると本当に綺麗な青で、以前バヌアツ共和国で見たブルーホールの巨大版といった感じだ。

とにかく上り下りが大変で、背中の重みがズシリズシリと一歩一歩堪える。それでも湖の奥側まで行く事が出来、川を渡りその付近で今晩はキャンプすることにした。川の水も冷たく入ると腰くらいまでは来るので、バックパックが濡れないようして歩くのがきつかった。

何事も良い経験で、これまで普段は海ばかりだった俺が山に興味を持った瞬間だったが、とにかく新鮮だ。この辺りは緑深い針葉樹林が多く一本一本の木が高い。こういう景色に関してスイス2人組は、トレッキングの経験も豊富そうなのであまり新鮮といった感じがないかもしれないが、俺にとってはとても新鮮だった。

オーストラリアとは全く違う景色である。空気も美味しいし、海もいいけど山もいいもんだなと改めて思った。そしてこういう山奥の自然のど真ん中で、周りには人気が全くない場所でテントを張り飯を作って食うのは何とも言えず、まさに旅をしてるといった気分だ。

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川で水を汲み、そこらにある木や枝を使って火をおこし調理する。シンプル・イズ・ザ・ベスト

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今夜の寝床は確保!

川や湖の水は透き通っており、ここで水をくんで料理や飲み水、そして紅茶なんかにも使える。

ただビクトールは念のためにと、水を浄化する錠剤を混ぜて飲んでいた。成るほどそういうアイテムも俺は何も知らない。つくづく山を知らずに生きて来たなと思う。正直こんな性獣でも、今回彼らに出会って色々と良い経験をしていると思う。

ここは日が沈むと完全に真っ暗になり深~い闇に覆われ、また今日は月もなく一面曇っているので残念ながら星は全く見えなかった。

さて食事を作ろうとするが、周りの小枝が湿っていて火をつけるのに悪戦苦闘した。本当に何から何まで一からやらなきゃならないので大変だ。何とか1時間近く粘り火をつけ、とりあえず飯盒でターメリックとクミンなどを入れた炊き込みご飯を炊くとうまくいった。あとはスモーク系の肉を直火で炙ったり、缶詰などを食べて意外と腹いっぱいになった。

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湿った木材で火をおこすのに苦労したが、料理は最終的に満足の出来栄えだった

《天然トイレと川風呂》

ここは用を足す時は勿論アウトドアなのだが、自分達の物を踏んだりしないように川の方に行ってする。

しかし真っ暗なので川に落ちないように、水の流れる音を頼りに良い場所を見つけ用を足す。この際トイレットペーパーの持ち合わせがなかったので、その辺の葉っぱをごしごしと柔らかくなるまでもみほぐしてからそれで拭く。

そして天然の風呂は勿論この凍てつく川だ。入る瞬間寒いというより痛い。だが少しすると暖かくなるが、一分もしないうちに上がる。

そんなこんなで疲れてお茶を飲みながら彼らのテントでトランプとかをしていたが、9時過ぎには自分のテントに戻り寝たが、俺は最小限の物しか準備してなく、マットが無いのでテントの下から水分が伝わってきて冷たい。そして寝袋とジャケットは安物なのでとても生地が薄く、水気が全部伝わって来てめちゃ寒くて全く眠れなかった。

行き当たりばったりは楽しいが、やはり自然の奥深く来るときは良い準備が必要であると悟った。今まで暖かいところばかり旅してたから、これも良い教訓になったと思う。

 


ディープすぎるシルクロード中央アジアの旅 (中経の文庫)


D15 地球の歩き方 中央アジア サマルカンドとシルクロードの国々 2019~2020 (ウズベキスタン カザフスタン キルギス トルクメニスタン タジキスタン)

 

 

《更に奥へ、誰もいない湖で裸で泳ぐ》

翌朝はドライフルーツや肉・チーズなどで朝飯を済ませ、奥に向かって歩き始めた。

すぐに川を渡らなければならない状況になり、ビクトールが入って行ったが、川の真ん中辺りはなんと腰以上の深さがあるので彼の荷物は水に濡れてしまった。それをみた俺達は荷物をまず向こう岸に投げてから身一つで渡ることにした。

川幅は10m弱といったところか。俺の荷物は30kgあるので果たしてそこまで届くかどうか。。まずヘイドリアンが自分の荷物を投げる。何とかギリギリ向こう岸に届きそれをビクトールが回収。

そして俺の番だがこの荷物を持ち上げてみると本当に重い。これはきついぞ、向こう岸までは。ただ俺も元野球部のはしくれ、

80ℓのバックパックを両手で抱え上げ、思いっきり助走をつけて出来るだけ高くあがれ!と願いを込めて全力で投げた!!!~~~~と、

なんとか向こう岸ギリギリに着地し荷物はぬれずに済んだ。

あ~~良かった、結構山とか旅とかに関係ない物も入っているので濡れては困るところだったんだよね。

実際川に入って行くと水は冷たく流れも結構あり、また俺の身長だと胸辺りまで浸かってしまうのでさっそく大変な山歩きとなった。

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川を渡る場面に何度か出くわす。一番深い時は胸まで浸かった。。

そして途中俺の荷物が重すぎるという事で、荷物を一部森の中に隠して行く事にした。歩いている方向の右上手は木が密集した切り立った崖に近い勾配の斜面になっており、その上の方に穴を掘り木に隠れるようにいらない荷物を隠していった。そして帰りの際に見失わないように俺のいらないボロッちいTシャツを目印の木に結び付けておいた。

何か探検って気分だな、本当に。

それにしても荷物が軽いのがこんなに楽だとは思わなかった。

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こんな場所のどこかに俺の荷物を隠していった。。

快調に歩いていたが、ルートはやがて急こう配になっていき、殆ど崖登りのような感じで岩や木のつたを這って行かなければならなかったので、もしあのまま全ての荷物を持ってきていたらえらいことになっていた。

ただひたすら崖を上り続け、迷ったりしないように出来る限り川に沿って歩いて行った。もしこんな誰もいない山奥で迷ったらひどい悪夢だと思う。更に雨が降ったりやんだりしてるので、地面もツルツルと滑るので余計に体力を使う。

なんとかキツイ上り下りが終わり開けた所にやってくると野生の花が群生しており黄色や青・紫色の花々がめちゃきれいだった。そしてしばらく気持ち良い平らな所を進んで行くと新たな湖が見えて来た。

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奥に新たな湖が見えてきた!

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湖に近づくと、視界が広がり天然の花畑が広がる中を歩く

見えた瞬間これはやばいと思った。昨日の湖も見えた瞬間綺麗だと思ったが、ここはもっと純粋な自然の中という感じで、人影が全くない。深い緑の山に囲まれて水も透き通っており、完全な静寂の世界だ。

緑の山の奥にはてっぺんを雪に覆われた高い山も見え、自分の人生の中ではダントツに一番綺麗な湖畔の景色だ。

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無人の湖。鳥などの鳴き声以外、何も聞こえてこない。。完全な静寂

そして昼飯を食おうと一時間くらい火をつけるのに悪戦苦闘したが、周りの木の枝が完全に湿っておりこりゃだめだと諦めまたドライミートなどを食ってしのいだ。

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いくらやっても火がつかない!

せっかくこんな綺麗な湖を貸切なので素っ裸になって泳いでみた。

しかしここは標高が高いので飛び込んだ瞬間、冷たっ!ってよりは痛っ!という表現がぴったりくるような刺激があった。そして何故か男3人しかいないこの状況でヘイドリアンは自分の裸を見られたくないらしく、飛び込む瞬間までタオルを巻いており、飛び込む時は反対側を向いていてくれとのこと。。。

おカマか!このチーズの国のお坊っちゃまめ!!

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こんな誰もいない所でも裸になるのを嫌がる、チーズの国のお坊ちゃま

最初はこんな山奥の誰もいない最上級に綺麗な中の行水に気持ち良く感動していたが、冷たさに耐えきれず水から出た後、冷えた体に追い打ちを掛けるように冷たい雨が降り出したのですぐ服を着て雨宿りしていたが、止みそうにないので歩き始めて戻ることに。

途中来た道を戻ってきたが、雨で道がぬかるんでいて本当に歩きにくかった。ヘトヘトになり、荷物を隠した場所辺りに戻ってくると、ちゃんと俺のボロTシャツがまだ木に巻かれていた。

そして無事残りの荷物を回収して今持っている分と合体させたが、こんなにも重い荷物をしょっていたのかと気が狂うくらいの重さを感じた。そしてこの後は俺の荷物も重すぎるし、という事でこのまま最初の湖をまたぐるっと回って、来た方向に戻り例のMaisaおばちゃんのロッジで暖を取ろうという事に。

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帰り道にもこんな綺麗な景色がヘトヘトノ体を癒してくれる

しかしあと少しという所で、道はほぼ垂直なんじゃないかと思うくらい急な登りになり、この重~~い荷物に非常に堪える。

最後は石などにしがみつき這い上がるようにして、何とか休み休み登り切ることが出来た。

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最後の最後で道はほぼ垂直になり、すべり落ちないように休む息絶え絶えの俺

《トレッキングの後の宴とローカル民家でお泊り》

そして例のロッジに挨拶しに行くと、昨日のMaisaおばちゃんが温まって行きなさいと御茶やら食べ物を持ってくるではないか。そして他の従業員だか友達だか客だか分からないおばちゃん達もいて、皆でお茶を楽しみながら写真を撮ったりした。

すると更に男たちがやってきて宴会が始まってしまった。何やら分からないが皆一言何かを言ってから、ウォッカを一気飲みするという香ばしいゲームだか儀式だかが始まってしまった。

いや、この疲れた体にウォッカストレートはまじでキツイって。。

飯もじゃんじゃん出してくれ、そうこうしてるうちに何故か男たちの車に乗って家に連れてってくれるとの事。

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Maisaさんのロッジでその仲間たちに囲まれ記念撮影。この後地獄のウォッカ一気飲みパーティが開催される。。

トラックの屋根付き荷台に皆で押し込まれ、男たちと共にガタガタの道路に激しく揺られ頭を天井に打ちながら乗っていると、一軒の家に着きそこで泊めてもらえるとのことになった。

なんとそして家主は今まで気づかなかったが、昨日検問所からロッジの所までおばちゃんの膝の上で悶えた車のドライバーさんだった!今晩は彼が泊めてくれるらしい。

この家は田舎の集落の中にあり、決してElran家のような豪邸ではないが、中に入ると中央アジア独特の派手な絨毯やクッションなどがあり、それらの上で寝れるのは何とも言えない気分だ。

本当に遠くに来たな、と感じる。これぞ異国情緒だ、と灌漑に拭けっているうちに疲れ切っていたのでウォッカの酔いも回りすぐに眠ってしまった。

 

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泊めてもらった家で家主と一枚。絨毯やカーペットが中央アジアを感じる

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部屋の中