スマホも地図アプリも無くても冒険は出来た❕中国から中央アジア ~シルクロード横断ディープ旅~ ウズベキスタン編④
<ブハラ滞在①>~あっさり散ったイスラムハーレムの夢と、夢の世界を町を当てもなく熱に浮かされたように歩きまくる~
《期待→空振り三振》
翌朝起きて宿で朝食を食べた。ここの食事は最高で、ポリッジ(西洋風おかゆ)は少し甘めで舌触りが良く、他の料理も味も量も十分でこの町で唯一美味しい物が食べられる場所である。
そして今朝は昨晩会ったウズベク人の女の子達と会う約束してるので、ちょっとウキウキしてる。
何か起こるのかな?とスケベな淡い期待を隠す事が出来ず、普段はまずしない鏡を見てチェックをしてみたり、ガードの固いイスラムの女子をどう口説こうか、など一人頭の中でシュミレーションを繰り返していた。
が、結果を一言で言えばそれはあっさりと杞憂に終わった。
待ち合わせ場所に行きアイスクリームを買ってあげて木陰で話始めたのだが、まず思ったより日本語は出来ない。ぎこちない雰囲気の中俺の方が何とか頑張ってコミュニケーションを円滑にしようと努めたが、エクスチェンジをしたいと言っていたにも関わらず積極的に話してこないどころか俺には全然興味ない様子。
そしておもむろに日本人の友達にメールを送りたいから、文章のアドバイスをくれと言い出した。どうやら姉のハヴィバはここにボランティアか何かで滞在してた日本人の男の子と彼の帰国後も文通を続けていたらしく、どうみてもその男に恋している。
そんな中昨晩たまたま日本人の俺を見つけたのでこのチャンスを逃すか!と俺を利用したのである。
俺の朝から描いていたハーレムパーティの妄想曲は音を立てて崩れていった。。
どうも最近その男からのメールが減っており、それで心配して日本語の文章で長いメールを書いて心を掴もうと画策してるみたいだ。そう、俺に声を掛けたのは絶好の無料のメール代行屋を見つけたからである。
俺は完全に肩すかし食らった感じで、あまりの自分のまぬけさとこんな若い小娘に使われた状況にガクッと来て、どうでも良くなり適当に日本語の文書を教えてさっさと帰ろうとした。
しかし更に、彼女はガイドを目指しているのでトレーニングの為にも自分をガイドとして今日とか明日とか雇わないかと言ってきたが、俺達はロクにコミュニケーションも取れないガイドなどいらない(彼女は英語も殆ど出来ない)ので勿論断り適当にこのブハラとこれから行くヒバという町の情報をもらいさっさと退散した。
11:30には別れたので会ってた時間たったの90分弱。デートどころかエクスチェンジでもなくただ男にメールを打つ手伝いをしただけ。。チクショ~~~~、何やってんだ、俺!!なんて無駄な時間を過ごしたんだ、あんな小娘に振り回されて! 俺あと3週間後には36歳になるんだぞ!! 俺のバカ!!!
《酷暑のオアシスを彷徨い歩く》
空しく宿に戻りピーターにデートどうだった?、と聞かれるが意気揚々と出かけて行った割にはしょぼんとして帰って来た俺を見て全てを悟ったらしく、深くは聞かずに、“まーそのうちいいことあるさ”的な事を言われその話は終わり、気持ちを切り替え一緒に町散策へと出かけた。
近くのメドレセの中に入ると室内は土産物屋になっており、なかでもスザニというトルコやイランの絨毯に似てる、大型の刺繍が艶やかな中央アジアの代表的な民芸品である絨毯が並べられており、どれもサイズと色合いが圧巻である。
その大きさは大きい物で縦10mくらいあるものまであってまた色彩も目がくらむような鮮やかなで複雑な物も多く、これが手作りの刺繍かと思うとどれくらいの作業時間が掛かるのか気が遠くなり驚くばかりだ。
ウィルトン織 ラグマット/絨毯 【グリーン】 160cm×230cm 長方形 メダリオン柄 ウズベキスタン製 通年使用可【代引不可】
しかも中央アジアの絨毯はトルコなんかで買うより、よっぽど安価で変え質も良いのでとてもお得である。価値が高騰しない事を願いつつ、いつか一枚くらい小さいのが欲しいな。
その後も迷ったりしながら路地を彷徨っていると、本当に自分がどこにどの時代にいるかとふと見失うような不思議な感覚に陥る事がしばしばあった。
腹が減ったのでランチを昨日行ったレストランの裏のレストランで食べたら、これまたスープは冷めてるわ変なヨーグルト風味が強く口に合わないので別の物をオーダーし直す羽目になった。本当宿の飯以外はちょっと全てがあまり口にあわず、またどんどん気温は上がる一方なので歩き回ると疲れて逆に食欲を失ってしまう。
いや、本当に熱い!今一体40何度あるんだろう?
石畳の地面がまるで湯気が出て来そうなくらいの熱気の中歩き続けていると、時折意識が朦朧としてくる。。
その後イスマーニ廟というかなり古いイスラム建築物を見たり、近くの湖でローカルと一緒に泳ぎたかったけど、ピーター達が汚いのでやめておくと言うのでそのままマーケットに行ってみた。
ここは旧市街から外れて観光客もほぼいないので、人々はフレンドリーであちこちから挨拶が飛んでくる。
近くでばバレーボールをしてた人達も俺達を見るとすぐに誘ってくれたので、ちょっとだけバレーボールに混じったりしたが、元々ローカル達とのちょっとした触れ合いにあまり興味のないピーター達はここでも興味なさそうなので、しょうがなくマーケットに戻ってフルーツを買ったらリンゴを2つもおまけしてくれた。
この辺りは観光スポットのエリアと違って人が良さそうで安心して回る事が出来た。
そして帰りにスークと呼ばれる半オープンエアのマーケットで、皆でお揃いの白いハットを買い、何か刺繍の物が欲しかったので携帯入れとカメラ入れを買った。その辺りの店の人達は英語で呼びかけて来て、皆旅行者にとても慣れた感じだ。
こういうお土産屋とかを見ると、カザフスタンやキルギスタンとは全く違った感じなので、ああ観光地にきてるんだなぁとしみじみ以前の2か国を懐かしく思ってしまった。
《生演奏のレストランでの夕食》
そして宿に戻りビールを飲むと暑さのせいもあり一気に眠くなり眠ってしまった。ここに来て暑さと移動の連続で、大分疲れが溜まっていたらしい。
8:00頃何かいつもと違ったものが食べたいとイタリアンを探したが、閉まっていたので一旦宿の方に戻り近くの昨日とは別の屋上レストランに行くと、スタッフは英語が出来たりピアノの生演奏してたりと値段が安い割に良かったが、相変わらず味は物足りなかった。もうここウズベキスタンでは食事に関しては期待をする方が無理だと悟った。
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