ボルネオ島初上陸2016 ~目指せオランウータンとジャングル~⑤ オランウータンの生息地・キナバタンガン編②
<はたしてオランウータンに出会えるのか?>
《朝から動物達の宴が繰り広げられる》
虫やヒルが心配された夜だったが、Lupa Masaの時と同様にここでも完全な静寂の中、虫や鳥の音を子守唄にぐっすりと眠る事が出来た。
朝はシャワーではなく、現地スタイルのマンディ(要するにただの水浴び)で汗を流しすっきりした。そして朝一で周辺のジャングルウォークに向かう。
この辺は湖に霧が立ち、朝もやの中に鳥類や動物の鳴き声が響いて来て、今ジャングルにいるんだと実感が湧いてくる。結局大物は見られなかったが、ロッジ近くに戻ってくると近くの木にGiant Squirrelという、リスの最大種が現れたりした。また湖には今日もカワウソのカップルがシンクロナイズドスイミングをするようによりそって同じ動きをしている。
またしばらくすると同じ木の上に先ほどとは対照的にPigmy Squirrelという、リスの最小種が現れた。同じ木の上で時間差で最大種と最小種のリスをこの短時間で見れてしまうとはこのロッジの周りもバカに出来ない。
シンクロするかのように仲が良いカワウソカップル
Giant Squirrel from Dave Yanagiba on Vimeo.
遠くて(言い訳)手ブレも酷く素人丸出しだが、Giant Squirrelが木の実を食べる場面
A Field Guide to the Mammals of Borneo
ボルネオで役に立った、ボルネオ動物図鑑
《植林を通じてジャングルとプランテーションの問題を考えさせられる》
この後午前中は植林をするというプログラムだった。
このキナバタンガン川沿いのジャングルというのが実は年々と規模が小さくなっていて、動物達の住処が減っているのである。その結果としてオランウータンや他の絶滅危惧種が存続の危機にさらされているのだが、それはパームツリーのプランテーションが作られることによって元々の森が伐採されていくのである。
そしてプランテーションで働く人たちに取ってはオランウータンなどは農場を荒らす害獣であるので、時に殺したりもする。それも絶滅危惧に拍車を掛けている。
ただそのパームツリーから取れたパームオイルを誰が消費しているかと言えば、それは主に我々先進国の人間であり、パームオイルは実に様々な日用生活品に使用されていて、とても身近な資源なのだ。
この問題に先進国の動物愛護団体とかが一方的にパームオイルの反対運動や、存在自体を糾弾しているが、そのパームオイルを使っているのはまさに先進国の人間であり、それがまたこのサバ州の経済をささえているのも事実だ。
なのでもしパームプランテーションを辞めるのであれば、それに代わる産業をサバ州は興さなければならないという問題もあり、実に複雑な事情が絡んでいる。
ただ一度壊した森を取り戻すというのは莫大な労力と時間が掛るのも事実で、実はこのキナバタンガン川沿いのジャングルは全てが古代からのオリジナルの森ではなく、殆どがセカンダリーフォレスト(2次的な森)だという事だ。
そしてこうやって俺達旅行者も少しでもその森の復活の手助けにと、半日の植林を体験するのだが、たった半日でその大変さの片りんを実感させられた。
何せ本当に暑いのだ!この暑さの中で半日数十本の木を植えるために、穴を掘ってそこに苗を植え、また土を戻すという事をしただけで汗がとめどもなく出てきて、本当にこれを日々やっている現地の人達に畏敬の念を覚える。
一緒にやっていた同じく一人旅のリチャードなどは、ブツクサ言いながら普段の運動不足の為か、今しがた急にスコールでも浴びたのかというくらい大量の汗を流しながら、自分がIT系の職につき、こういったことをやらなくて済んだ人生に感謝しており、また客にこんなことをやらす現地スタッフに影で悪態をつきながらさぼっていた。。
おめぇーは何にも学んでねぇ~~な~!ここに来て。この坊さん面のくせに!!
《何に出会えるか!?動物探し再び》
その後はランチを済まして午後のジャングルトレッキングに出かけた。
ここでオランウータンに出くわさないかと頑張るが、空振りに終わりあまり他にもイノシシが出たくらいにしか収穫はなく、ただ蒸し暑い中をひたすら歩き周っただけだった。。
オランウータン中々手強いな、どこにいるんだよ~~!!
そしてその後は夕方のクルーズに向かった。
ここでも勿論狙いはオランウータン! どうしても見たかった。。
ただここでも中々その姿を見せず、見えたのは昨日同様腐るほどのロングテイル、そして他にはワニやテングザルなどだったが、贅沢になっている俺達はもはやオランウータンが現れないと満足出来なくなってしまっていた。。
そして夕食後はナイトウォーキングに出かけたが、この日は収穫も乏しく黙々と歩く時間が続いた。。
中々ジャングルにいても動物に出会うって難しいんだな!と強く実感。
そして夜もまた、例のエコロッジで虫の音に囲まれて眠りについた。。。
翌朝は出発前に最後のクルーズがあるので、それにオランウータンが見れるように懸けた!
しかし現れるのはやはり他の猿やワニ君達で願い空しくオランウータンは見る事が出来なかった。。。
実はこのキナバタンガン川沿いのジャングルが一番オランウータンが見られる確率が高い場所なのだが、俺はどうしても諦められそうもないので、ここから色々山に登ったりとプランがあるのだが、最後数日間何も決めていないので、その最後のチャンスに別のジャングル(ダナンバレー国立公園)に行き、何とか他の場所にいって見られないか画策するのであった。
そしてそれが見事に当たる事になるとはこの時は思いも寄らなかった。。
次はキナバル山登山だ!
成田からコタキナバルへの直行便有り
D19 地球の歩き方 マレーシア ブルネイ 2018〜2019 [ 地球の歩き方編集室 ]
価格:1836円(税込、送料無料) (2019/5/24時点)