DavePerthのオーストラリア生活記&海外旅行記

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ボルネオ島初上陸2016 ~目指せオランウータンとジャングル~⑧ ダナンバレーでついに野生オランウータンに遭遇編

<恐竜時代のジャングルでついに野生のオランウータンに会えた!>

 

 

《イザ、ロストワールドへ向かう》

Tip of Borneoの隠れ家ビーチに後ろ髪を惹かれながら戻った翌日、このボルネオ島の旅も終盤なので最後のオランウータンに会うチャンスのある場所・ダナンバレーに向かった。

朝早くからコタキナバルの空港へ行き、サバ州内のフライトのゾーンに入っていき、ダナンバレーに行く起点の町となるLahad Datuまで、これで本当にたどりつけるんだろうか??といったオンボロのプロペラ機で向かった。

フライト時間は1時間程で、そこまで揺れる事なく無事に辿り着いた。

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さびれたLahad Datuのエアポート。あんなプロペラ機でやって来た

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町も特に何も面白い物がない、Lahad Datuの中心地。

空港は寂れた所で一歩出て通りを渡るともう町の中心地だ。

ここにはダナンバレーに行く中継地として寄っただけなのだが、まだ午後の出発まで数時間あった。そして国立公園管理局のち~~さなオフィスで手続きを済ませると後はな~んにもやる事がなくなり、出発までひたすらカフェで時間を潰していた。。

 

《そして恐竜時代の世界・ダナンバレーへ!》

ようやく午後の出発時間がせまって来たので、管理オフィスに行くと前に一台のワゴンバスが止まっていた。それに俺も乗っていくらしいのだが他に客とは思えない、おそらく国立公園管理局のスタッフと思われる人達と、大量の食糧などの段ボール箱で車内のスペースが埋まっていたので、後部席の隅っこの方で段ボールを枕にして寝転がって乗っていくことにした。

要するにダナンバレーにはこういった現地スタッフの足や食料運搬を兼ねたシャトルバスが週3回Lahad Datuの町と往復しており、一応客の俺もこれに便乗していくしかない。

観光客用のロッジやホームステイが充実しているキナバタンガンとは違って、ここに行くのは少しのツーリストと、殆どが自然学や動物学・生物学をフィールドとした研究者達らしい。

スタッフに俺も何の研究しに行くのかと問われたが、ド素人の俺は何にも研究などしない。ただ、ただキナバタンガンで会えなかったオランウータンに執念で出会う為にきただけである。

町を離れて森の中に車が入っていくと殆ど車とはすれ違わなくなり、4WDじゃないときつそうなラフな未舗装の道路が続いて来て、俺の気持ちも”本物のジャングルに行くんだ!”と高まってきた。

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バスの車窓から。どんどん森の奥へと入っていき、そのうちすれ違う車はいなくなった。。

そして移動する事約4時間、管理事務所で入域のチェックインをして自分の部屋に入ると、かなり快適そうな部屋だった。ここにはドミトリータイプと、ボランティア学生が泊まるハンモッグと、自分でテントを持ってくればキャンプといった低コストのオプションもあったのだが、時間的にもたった2泊だったので、奮発して上から2番目の”Resthouse"というタイプの部屋を借りた。ここは唯一の食堂にも隣接していて部屋にシャワーがあるわでとても便利だった。

ここでただひたすら動物探しに集中出来る!

 

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部屋は快適。ただ10時には電気が自動的に消される!

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これがハンモッグタイプ。低コストならばこれもあり

宿のまわりは綺麗に整備されているのだが、一歩外に出ると後はただ鬱蒼としてジャングルが広がっているだけ。そして現地のレンジャーに少し話を聞き、俺はただのツーリストで、ここにはオランウータンに会うために来たのだと告げると、この辺にオランウータンが出たのは約一か月前だと言われた。。。

おいおい、ここは本物のジャングルで野生動物の宝庫だって聞いてここまで来たけれど、一か月もオランウータンががまともに観測されていないの!?

俺2泊しか出来ないんだけど。。。

それもそのはず。ここは確かに古代からそのまんまのジャングルで、観光化されているキナバタンガンよりワイルドで動物は確かに無数にいるのだが、その分広すぎて逆に素人が短期間で動物を見つけるのは難しいらしい。

 

おまけにキナバタンガンでは殆ど動物はボートから見えることが多いので、動物も警戒心が少ない。ただここはひたすら自分で歩いて見つけなければならないので動物達も警戒心が強く、また動物探しには経験や知識が大事なのでここには実は素人には非常に不利な条件が揃っているのだった。。。

 

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鬱蒼とした木々が生い茂る古代からの森。鳥の鳴き声が雰囲気を出している

この日はもうすぐ暗くなってしまうのでとにかくその辺を散歩しただけだったが、それでも川の向こうに広がるジャングルは雰囲気抜群だ。

明日からの散策が楽しみだ!難しいと言われてもどこかに絶対色んな動物達がいる気配がプンプン漂っている。

 

《レンジャーから動物発見のレクチャーを受ける》

翌朝はまだほんのり薄暗い時間には鳥の鳴き声などで自然に目が覚めてしまった。

そして散歩がてら外に出てみると、朝もやが掛かり霧状の大気が静寂に包まれて、森の奥から聞こえる叫び声のような大きな鳥の鳴き声が響くと、森の奥からプテラノドンが大きな翼を広げて現れるんじゃないかという錯覚に陥った。。

それくらい今自然のジャングルにいると実感がここにいると湧いてくる。これは実際にここに来てこの空気を吸ってみないと絶対に分からない感覚だ!

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ロッジ近くを流れる川。ジャングルの川は穏やかに流れる。。

このダナンバレーのフィールドセンターは基本訪問者は勝手にその辺を歩き周って自力で動物を探さなければならないのだが、朝一で何人かのレンジャーがボランティアで基本ルートの2か所を周りながら動物の見つけ方のヒントなどをレクチャーしてくれるのだ。

勿論そのチャンスを逃すはずもなく、一人のレンジャーを捕まえ一緒に歩いて行く事にした。ひょうひょうとした感じのレンジャーで、あまり言葉は通じないが途中途中で昆虫や小さな爬虫類や面白い植物などを見せてくれた。やっぱり目が良いというか、木に同化してるようなトゲのついたトカゲなどもいとも簡単に見つけてしまう。

これはやっぱり経験の差というか、ポイントが分かってないと素人は色んな物を見過ごしてしまう。ジャングルを歩いてれば勝手に動物が見えてくるわけではないのだ。こちらが動物の生態や特徴を知ったうえで探さなければ何も見つけられないという事が痛い程分かった。

大自然の中の野生動物探検の経験が未熟な俺には修行が必要だ。

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レンジャーと歩き、森のレクチャーを受ける

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木の裏側に隠れていた、トゲトカゲ。これも言われなければ見過ごしていた。。

そして実際に会う事は出来なかったが、この辺の絶滅危惧種のサイの足跡やフンの形跡を発見したので、確かにこの辺に色んな動物はいるのだ!2日前にはロッジの近くにオランウータン以上に希少なClouded Leopard(ウンピョウ)が出現したらしい!

 

レンジャーから色々教わった後、一人で森を引き続き歩いていると、何やら一つの黒い塊がびっくりしたような声を上げながら木をすごい勢いで登って行った。

あまりの一瞬の出来事にカメラを構える事は出来なかったが、目の中に捉えたその動物の正体は、こちらも希少な絶滅危惧種”The Gibbon (ボルネオ黒テナガザル)"だった!!向こうも通りかがった俺にびっくりして慌ててたらしく、一瞬目が合った時はその目をまん丸く広げてこちらを見つめていた。。

いや、これは良い兆候だぞ!午前中これが見えたという事は、、、午後は。。。という淡い期待をまた抱いてしまった。

 

 


ボルネオ島アニマル・ウォッチングガイド


フィールドガイド ボルネオ野生動物―オランウータンの森の紳士録 (ブルーバックス)

 

【HotelsCombined】

 

《ついに奇跡の遭遇!森の真ん中でオランウータンと一対一のお見合い》

そして早めのランチを取り、水を持って午後の散策に出かけた。

明日は朝食後にここのシャトルバスでLahad Datuに戻りそのままコタキナバルまで来た時と同じプロペラ機で帰らなくてはならないので、事実上ゆっくりと動物探しが出来るのはこの午後が最後になる。

ジャングルの午後は蒸して死ぬ程暑かったが、気合い入れて足が動かなくなるまで歩き続けるつもりだった。

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うだるような暑さのジャングル。この中を歩き続けるのはきつい。。

そして森の中を歩き続けていると、時折いきなり気づくと猿の集団に木の上から囲まれていて威嚇されたりもした。縄張りに入ってしまったんだろうか。。

途中ゾウの足跡らしきものに出くわしたりして一瞬テンションが上がったりしたが、それでも中々何の動物を見る事が出来ずにただひたすらセミなどの虫の鳴き声を聞きながら歩き続けていた。

それでもアンテナを張りながら歩いていると、左上の視界の隅の方に何かが動くのを捉えた気がした。気のせいかと思いそちらに目を向けると、明らかに遠くにある一本の大きな木だけが風の力とは無関係に不自然に動いていた!

❕❕❕

もしやと思い少し視界が開けている所にダッシュし、その揺れた木がある50~60m前方を方にじっと目を凝らしていると、やはり風でゆるやかに揺れる他の木々とは明らかに違った動きをしている木が一本ある。

そして更に目を凝らしていると、、、腕らしき物が動いている!そしてその腕は何か木の実をとる動作をしているように見え、良くみると木に腰かけているオランウータンの頭と胴体が葉っぱに隠れているが確かに見える!!

心臓がバクバクなっているのを感じながらも更に観察を続けていると、ある事に気付き更に興奮した。

今視界に入っているのはこの俺とあのオランウータンだけだ!

この広い密林の中で一対一の空間の中にいるというだけで、ますます心臓の鼓動は高まってカメラで動画を取るが遠すぎたし手も震えて中々上手には撮れなかった。。

 

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この木の裏にオランウータンがいるのだが、分かるだろうか。。。?

 

 これもちょっと分かりにくい動画だが、右側の木を注目すると手が動いてるのがわかる。。

Orangutan1 from Dave Yanagiba on Vimeo.

 

 これも途中右側の木でオランウータンが何か手で取ったものを口に運んでいるのが映ってます。よ~~~く見ると。。。

Orangutan2 from Dave Yanagiba on Vimeo.

 

そしてしばらく観察したが、その手で何かを取って口に運んでいる動作を止めた気配がした。するといきなり例の木がガサっと音を立てたと思うと、何とそのオランウータン様が顔を出し、そして完全に全身を露わにしてとなりの木に移ろうとした。

そしてじっと見つめていた俺の気配に気づき、何と彼女(メスのオランウータンだった)は往年の加藤茶の様にびっくりした様子で俺を2度見したのだ!

明らかに目が合いお互いを意識した瞬間があったのだが、美人で恥ずかしがり屋の彼女はそのまま勢いよく隣の木を伝って下に降りてしまい、そこから奥の方に消えて2度と姿を現す事はなかった。。。

 

アホな俺はここという時にカメラをオンにしておらず、決定的瞬間を取る事が出来なかったのだ~~~!あ~~~っ、勿体ない!

しかしこの深い広大な古代のジャングルでメスのオランウータンとお見合い出来たことは事実で、まさか本当にこんな形で出会えるとは思ってなかったので、まだ心臓の鼓動は激しく高鳴っており、この俺一人しかいないというシチュエーションにも興奮してアドレナリンが出まくった!!いや~、諦めないでここまで来て良かった。

 

ド素人の俺が一人でオランウータンに出会えたなんて、これは奇跡だ!!!

 

そして大満足でその場を離れたが、日没までまだ少しあるので全然違う方向に行って更に動物を探して彷徨っていると、ある一つの木の下にだけ白いナッツ系の実が何者かによって半分に割られている残骸が無数に散らばっていた。

これは明らかに小動物ではなく何か大型の腕力のある動物のしわざに見えたので、これはまたオランウータンに出会えるのではないかと思い、サウナのような暑さの中その木の下でひたすら数十分間待っていた。

しかしもうこの木の物は食べつくしてしまったのか、何も現れる事は無かった。。。

 

そしてベースに戻り仲良くなったレンジャーに動画を見せると間違いなくオランウータンだと認め、俺が単独で見たことにびっくりしていた。そしてもうひとつの白い実が散らばっていた木の下で待機した話をすると、やはりオランウータンがそこにいた可能性は高く、俺の動物の探し方の方向性は正しいと太鼓判を押してくれた。

その日はレンジャーが出すジープのナイトサファリにも参加したが、空飛ぶリスの仲間などを見る事が出来たが、暗くまた遠すぎて写真に収める事は出来なかった。

ただここに来て最大目標のオランウータンを執念で見る事が出来て大満足で、またこのボルネオでオランウータンや他のまだ見ぬ動物達に会いに絶対戻ってきたいと思った!

ボルネオ・ジャングル最高!!

 

*成田からコタキナバルまで週2便直行便有り!

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