スマホも地図アプリも無くても冒険は出来た❕中国から中央アジア ~シルクロード横断ディープ旅~ カザフスタン編③
<アルマティ―~奥地トレッキング①>~アルマティを脱出して一気に大自然の彼方へ・豪雨のヒッチハイク~
《新たな出発!一気に荒野へ》
翌朝は朝5:30に起きて出発の支度をした。
ついにここまで散々お世話になったElranとお別れだ。彼は本当に良く面倒を見てくれてメチャクチャ世話になった。またいつの日か会える事を願う。
白タクを捕まえバスのターミナルに行くと、そこで東方面の乗合いバスを捕まえた。例の如くハイエースサイズの車に人がギュウギュウに詰め込まれ荷物もパンパンなので、スペースが全くない。
後ろも荷物でいっぱいなので一体ドライバーはどうやって後ろを確認するのだろう?
いや、確認なんてしないのか。。
乗客も俺達外人が3人乗っているので、もの珍しそうにしている。
バスはそれでも快調?に進み、小さな村のマーケットみたいな所で休憩となった。ここでバナナなんかを買ったりしてブラブラしていると、アルマティの街とは打って変わって素朴な人達しかいない。
ガラリと雰囲気が変わり、周りも自然に囲まれて面白くなってきた感じがする。ちょっと街を出ると、こんなにも極端に変化して何にも無くなるのか。。
その都市部と郊外の違いは東南アジアにおける違いなんてもんじゃない。一気に近代的な街からホント~にのどかな農村風景が広がっている。
D15 地球の歩き方 中央アジア サマルカンドとシルクロードの国々 2019~2020 (ウズベキスタン カザフスタン キルギス トルクメニスタン タジキスタン)
バスが再出発し移動していると、徐々に周りの景色が変わってきた。ステップ地帯っぽい荒野から、岩山が出て来て起伏の変化がみられるようになった。
軽快に飛ばしていると思いきや、バスが途中お約束のようにパンクして止まった(乗せ過ぎだろ)。
パンクしてしばらく停車した所は野生の花が一面に群生しており、黄色や青の鮮やかな天然の花畑の後方に雪山がそびえ立っており、そのコントラストが綺麗だった。普段住んでいるオーストラリアでは見られず、また東南アジアなんかにも無い景色なのですごく新鮮な感じがして、遠くに来てる実感がした。
そしてパンクが直った後はスムーズに進み、景色を楽しんでいるうちにSatanという小さな村に着いた。ここは村?と呼ぶのも小さい程の場所で、何件かの農民の小さな可愛らしい家がポツンポツンとあるだけで、あとは山に囲まれたのどかで雰囲気のいい場所だ。
《トレッキング開始のはずが何故かスリリングな4WDヒッチハイク》
そしてここからは大きな荷物をしょってのトレッキングである。
さていざ出発!といったところだが、俺には不安が。。
何せ俺の荷物には、オーストラリア国内の引っ越しも兼ねているので、今回の旅には必要ない余計な荷物もバックパックに入っている。
80ℓの大きなバックパックがパンパンで重さは30キロ以上もある。
そしておまけに天気も今にも降り出しそうな感じのどよ~んとした感じである。対するスイスコンビは結構経験豊富そうで装備も満タンである。ウォーキングスティックも常備し防寒具もいい物を持ち、決定的に違うのは荷物が俺より全然軽い。
俺は歩き始めて早速バッグの重さがしんどくなってきている。大丈夫か、こんなんで?
辺りは本当にただ川と山があるだけの世界。こういう景色も気持ちいいもんだな、と思うがいかんせん荷物が重すぎる。防寒具や他の装備、荷物も含めてもっと準備をしておけばと少し悔やんだ。
それでも歩みを進めあと少しでチェックポイント(ここから先は特別な自治区なのか入るのに許可がいる)がある小屋まであと少しという所で、急に、本当に急に雷やはげしい雨そしてそれが氷(ヒョウ)になって襲い掛かってきた!
びしょ濡れになってついたチェックポイントの小屋は女の人が一人で管理しており、言葉が全く通じないが入域料651Tを払って氷が止むのを待っていたが、なかなか止まないなーと途方に暮れていたらそこに一台のジープが止まった。
それでその人達に頼み何とか湖の方まで連れて行ってくれないかとお願いすると、無理やり3人の荷物を積み込むと、既にギュウギュウなので3人は乗ることは出来ないので、誰か一人が取り合えず無理やり乗り込むという事になった。
ヘイドリアンとビクトールはデカいので当然その役目は俺という事になったが、どこをどう見ても人が乗れるスペースなどない。
だがそこはこの田舎のカザフスタン、俺は何と助手席のおばちゃんの膝の上に乗るという有り得ない手段に。何とか無理やりおばちゃんの上に乗り込むが、この密着度はキツイ。
おばちゃんは呼吸が出来てるのだろうか?
とにかく発車したが、ここは未舗装道路なのでいたるところに幅1m程の大きな穴がボコボコにあり、おまけに4WDなので構わずめちゃ細いデコボコ道路を飛ばして行く。
更にひどいことには、
ついさっきまで豪雨が降っていたので穴という穴に水が溜まっており、飛ばしている車がその穴を踏み込む度に車体は震度5の地震くらい揺れ、水しぶきがバシャーと掛かりまくり前は見えないわ俺は跳ねて天井に頭撃ちまくるわ、おばちゃんは跳ねる俺を受け止めもんどりうってるわで、経験したことのないドライブの世界を味わった。
所々あざでも出来たんじゃないかという衝撃が続いたが、いやはやこれはこれでスリリングな経験でますますカザフの旅が面白くなってきた。
降ろされた所は小高い丘の上という感じで、そこから見下ろす湖は木々に囲まれ水は幻想的な青さに光っており、何とも言えないくらい綺麗な光景だった。こういう山奥の湖などあまり見たことがない俺は完全に虜になり、これからこの湖沿いにトレッキングしていくのかと思うと嬉しくなった。
どうやら飲んだり料理したりする水はこの湖で確保出来そうだ。
そして付近にはこじんまりした建物が数件たっており、どうやらここに宿泊できるらしく、田舎の民宿といった感じか。
その民宿は助手席で一緒に奮闘しもはや他人とは思えなくなっていたおばちゃん、Maisaさんの経営する宿らしい。
そしておばちゃんや荷物をおろし、景色に見とれて存在を忘れていたビクトールとヘイドリアンがこっちに向かって歩いて来ているので、それをピックアップしに戻った。彼らと無事合流した後そのままMaisaさん達に招かれゲストハウスで暖を取り、御茶や御菓子をご馳走になってしまった。カザフスタンはなんでこんなにも色んな所で招かれるんだろう。