スマホも地図アプリも無くても冒険は出来た❕中国から中央アジア ~シルクロード横断ディープ旅~ 中国編⑩
<北京滞在②>~天安門広場からの怒涛の観光、そして孤独感と空虚感に苦しむ~
《天安門から始まった故宮院・北海公園と一気に行った世界遺産祭り》
翌日は、昼くらいまで宿でゆっくりして午後はあの天安門に行ってみる事にした。
前門に通じるメトロの前門駅で降り地下道を抜けて、セキュリティー検査を通過するとそこが自動的に天安門広場である。やたらデカい敷地で、目の前には色んな記念碑やモロ社会主義丸出しの彫像があったりするのでぐるっと裏側に行かないと例の有名な天安門の象徴の毛沢東の赤い壁が見えない。
広場を北に向かって歩いて行くと、前方にイキナリ毛沢東が目に飛び込んで来た。TVなどの映像や写真などでもよく見る、あの毛沢東の肖像画を真ん中に据えた大きな赤い壁・天安門である。
ここもお約束的な観光地で中国人やら外国人の観光客であふれているが、それでもその迫力に感慨深い物があった。北京に来て一番インパクトがある光景だ。
ここは想像していたよりも広く、かなり大きな会合やイベントも行われるよう。何でも十万人以上収容可能とか。
それでもここでかつて大量の学生が政府軍によって虐殺された事実があったかと思うと少し切なく感慨深い。ここ中国ではそういった情報も政府によってコントロールされているので無邪気にはしゃいで写真を取っている中国人観光客を見ると、
一体どれくらいの人がどれだけの真実を知らされているんだろう?
と考えてしまう。
オーストラリアの俺の若き中国人の友人達は、オーストラリアに来て初めて色んな情報を得る事が出来たと言っており、天安門広場の事件についても外に出て見て初めて知ったらしい。。
そして門の上に上って広場を見下ろしてみると、改めて大きさがわかる。本当に十万人くらい中に入れそうだ。
そしてそのまま歩を進め裏手にある、こちらも北京観光の王道中の王道の、もう一つの世界遺産である故宮院に60元を払い入る。ここもそうだが本当に中国の観光地はどこも人で溢れ、また一人旅がいないではないか。皆外国人も中国人もグループで来ておりはしゃいでいるのでこっちはゆっくり壁画も見れない。
休憩してる時に、よせばいいのに他に一人旅がいないかざっと探してみるが、見事にいない。そんなことをしても寂しくなるだけだし、自分のペースで楽しめばいいのに、何故かここ北京に来てやたら一人で旅してる事が寂しく思えてきた。。
ここでは旅人の友達も出来そうもない。Dianaも思ったより忙しそうでそんなに会えないし、宿の同部屋の中国人達は実は旅行者ではなく普通に働く北京在住者だし。。(北京では地価が高騰してアパートもべらぼうに高いため、正社員の仕事を持ってる若者も安宿のドミトリーで生活してるケースが増えているらしい)
ヤバい、何か負のスパイラルに落ちてきた。。
気を取り直し故宮院はつまらないとあきらめ更に裏手の景山公園の頂上まで登ったら、先ほどの故宮院が眼下に見えた。こうして上から見ると、故宮院は見事な左右対称の建物群であることがはっきりとわかる。
寂しさを紛らわすには行動を、と思い更に裏手の北海公園に歩を進めて行く。ここも隠れた世界遺産らしい。それにしても歩いて行ける範囲に世界遺産が3つもあるって、何という世界遺産の安売りだ!
そしてもう世界遺産など大して価値も無いのだろうな。。
もともと、世界遺産だから何?ってことを思っていたけど、本当にここはただのだだっ広い公園。川(湖?)があってボートとかに乗れて中国らしい寺があって、その周りで日常の太極拳してる人がいて。。
まー世界遺産だろうが何だろうが要は自分がそこをどう感じるかって事なんだよなー。
今日は駆け足で人混みから逃げるようにして観光したので疲れたぞ。。そして天安門以外あんまり印象に残ってないし。こういうのはやっぱり自分が好きなスタイルじゃないな、それにどうしても北京が自分にとってしっくりこない。
《そして一人の空しさが深まる》
帰りはいつもより1つ手前の駅で降りて近くのグルメストリートと呼ばれるレストラン街に向かう途中セブンイレブンを発見。肉体的にも精神的にもちょっとお疲れ気味で、尚且つ中国飯に食傷気味だったので”心のオアシス”セブンイレブンにフラっと寄ってみた。
そこには予想以上のラインナップが!
日本の食べ物が充実しており、何と中にはおでんやおにぎりまであるぞ!
迷わずそれらを買い込み一気に掻き込む、う~~ん最高!生き返った!広州でも一回行ったが中国のはおそらくセブンイレブンUSAではなくセブンイレブンジャパンが展開してるのだろう。
ごちそうに満足してグルメストリートの方に歩いて行くと、華やかにたくさんの提灯が歩道を覆っていていい雰囲気だ。やはり俺は提灯が好きなんだろう、心が自然と引かれる。しかしここは皆ある程度のレベルのレストランらしく、また来るのは家族連れやグループなどの大所帯が中心。勿論一人なんていません。
そして店の外にいる客引き達も一人の俺にはちゃんと声を掛けてこない。。
差別かよ、ちょくしょー。
席が空くのを待つ間に人々は外の待機用の椅子に座りひたすらひまわりの種を噛んでは皮をそこらじゅうに吐いている。きたねぇーな。場違いの俺は雰囲気だけ味わい前に進んでいったが、ここに来て余計空しくなっただけだったな。。
翌日は旅もやる気も最低に落ち、昼までぐったり。
そしてやることも思い浮かばないので退屈しのぎにまたまた王府井方面へ。書店に行ったりマックでコーヒー飲んだりして時間を潰す。
あ~~、早く北京でたいぞ、ビザまだか~~~~。
始皇帝 中華統一の思想 『キングダム』で解く中国大陸の謎 (集英社新書)
《中国で中華料理以外が高い理由が判明⁉》
夕方はDianaと待ち合わせしてるので、合流場所に行く。
ここはビザ申請の時に来た大使館街に近く、高級そうなレストラン・バーやデパートやユニクロ(中国では割と高級デパート扱い)が並び、またキザな欧米人共をチラホラ見かける。
Dianaと合流し彼女希望のメキシカンレストランに行く。彼女はこの辺に慣れているらしく、やはり生活水準が高いんだろう。店内は最初空いていたが、その後何人もの中国人が次々にDianaの席の後ろの機械に何か差し込んでいる。
客がスタンプカードでも押してるのかな?とまぬけな事を始めは考えていたが、それはどうやら従業員のタイムカードをチェックする機械らしく、全て従業員だったらしい。。って何人いた?
ざっと見渡しても未だ客は我々2名と大きなテーブルを囲む白人グループ10名程のみ。そしてやることがなく、テーブルの周りで各派閥ごとに固まってぺちゃくちゃおしゃべりしている中国人の若い女のスタッフ達は全部で15人くらいいる。
こんなにスタッフいらねえだろ!
途中白人グループは常連なのかオーナーらしきメキシコ人カップルが出てきて彼らに挨拶していたが、何でこんなに無駄に従業員が多いかは何となく想像がついた。
おそらく中国では外国人がレストランなどのビジネスをする際は、ある程度決まった人数の中国人を雇用しなければならない法律があるのだろう。
それにしてもあの人数はやりすぎだろ!これじゃあ大して旨くもないタコス一品が地元の食堂のヌードル10杯くらいの値段になるはずだわ。
その後は彼女お勧めのバーに行く。ここは小さな地下に一段降りた狭いバーで、レゲトンのビートがガンガンに流れている。こんな雰囲気のバーが中国にもあるんだな。でも客は殆どいなく、またカクテル一杯がヌードル10杯以上の値段がするけど。。
ただ俺はこういうバーは結構好きだ、そしてレゲトンもいい。ただうるさすぎて彼女と甘い雰囲気にはならず、また彼女は忙しいので10:00過ぎには帰ってしまった。。