DavePerthのオーストラリア生活記&海外旅行記

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スマホも地図アプリも無くても冒険は出来た❕中国から中央アジア ~シルクロード横断ディープ旅~ 中国編⑰

 <ウルムチ滞在①>~地獄絵図広がるカザフビザ申請と巨大ディスコでダンスコンテストに飛び入り参加~パート1 

 

 

《カザフビザ申請・そこは戦場だった》

翌日カザフスタンのビザを取るためにウルムチカザフスタン出張所に行った。

ちょっとバスの乗り継ぎなど行き方がややこしいので、既にここでビザを申請済みの韓国人のジュンミンが近くに行く用事があるので一緒に来てくれるという。

西安のパブで知り合ったアイリッシュイボンや他の情報からも、ウルムチのバスにはスリが多いと聞いていたので警戒しながら乗っていたが、あまりそんな気配は感じられない。

ジュンミンと話しながらバスに乗っていたが、彼女はこれから中央アジアを回りそれが後に手記になるらしい。まだ韓国では中央アジアの情報が殆どないので知り合いの出版社の編集者に、行くなら後で情報をまとめてほしいと言われているそうだ。なので半分プライベート半分仕事だという事。

 

そして目的のバス停で降り、彼女の案内でカザフ出張所の建物の前に行くと、そこには凄まじい光景が待っていた。。

建物の周りは鉄格子で囲まれているのだが、その外には中央の入口を中心に、建物を囲むように200~300人の人だかりが出来ている。

それは皆中国系の人達で、

何やら書類などを手に中に入れろと一斉に喚いていて、お互いに押し合い怒号が響き、さながら地獄絵図が目の前に広がっていた。

刑務所の様子を中から眺めているような感じで、皆一応に殺気立ちとてもすんなりとは中に入れそうもない。

ここに来る前に他の欧米人達からあそこはすげぇぞ、クレイジーだぞ!、などと聞かされていたのだが、実際に来てみて彼らの言っている事が理解出来た。。

彼らからのアドバイスで言われたのは、現場に着いたらとにかく単身スクラムを組んで前方に無理やり頭から群衆の中に突入して行き、外国人である証拠のパスポートを掲げれば係員が気づき中に引き入れてくれるとの事だった。

 

そして意を決してジュンミンと別れ一人で突っ込んでいった!

しかし他の人達も必死なのでなかなか簡単には割って入ろうにも入れないが、気合いで人を掻き分け押し入って行く。激闘の末ようやく最前線まで来てパスポートを掲げていざ中へ!と意気込んだが、中のセキュリティスタッフが全く俺に気づかない。。

ここでようやく俺は重要な事に気付いた。欧米人共は、口を揃えて最前線まで行けばあとは中に入ったも同然!といったような軽いアドバイスをくれていたのだが、それは奴らが欧米人だからだ!

 

俺は両親共に典型的な日本人で、この通り自身のルックスもアジアンそのもの。

 

という事で中国人と簡単には見分けがつかず、最前線でパスポートを振りかざし必死に叫び自分が外国人である事をアピールしようとも、中のセキュリティスタッフはちっとも気付かない。その他大勢の中国人だと思っているのだろう。。

これは同じ旅行者のアドバイスという思い込みからの盲点であった。。

 

しかしなんとかアピールを激しく繰り返しているとようやくセキュリティスタッフが俺の存在を認め、おっ、お前外国人だったのか!

とばかりに目の前の鉄格子の扉を俺一人がギリギリ中に入れるくらいのスペースで開け、俺の体を中に引っ張り始めた

 

が、その時、、何でこいつだけ!とおそらく俺の事を中国人だと思っているまわりの悪魔達が騒ぎ出し、目ざとい奴が俺の体にしがみつき一緒にどざくさに中に入ろうとしてきた!そしてそれに更に3,4人が続き俺にタックルをしてくる!

俺はそのまま4人くらいに体をつかまれたまま彼らを引きずって、セキュリティスタッフに引きずられ中に入る事が出来た。そして俺が何とか体を扉の隙間に滑り込ませた瞬間に、俺の体に張り付いた悪霊達を、セキュリティスタッフが彼らの腹や頭部に的確に蹴りやヒジ打ちを入れながら俺から引っぺがして侵入を死守していた。。ここでは人権という言葉は存在していないに違いない。

ただその際一人だけ蹴られても蹴られても、気合いと執念で俺と一緒に入り込む事が出来た奴がいた!!

そしてその一人はそのまま結局中に入れてしまう所が、ちゃんとした基準がなくて恐ろしい。結局入ったもん勝ちらしい。。。

 

いや、しかし何なんだ、、このただ観光ビザを申請する為だけに戦場を通過しなくてはならないなんて。。地獄絵図のリアルバージョンだった。。。

 

中は外国人旅行者が何人かいて皆ビザを申請していたのだが、とにかくお役所仕事よろしく、のんびりと横柄な態度で係員達が応対している。そして自分の番が来て日本人だと分かると、担当の係官は急に態度が変わり元来の皮肉な表情の中にもかすかな笑みがこぼれ、フレンドリーな対応をしてきた。

どうやらこの係官はこの年の3月の震災の時に日本に応援にもいっていたみたいで、それで親近感があるらしく、どうして一人なんだ?彼女は連れて来ないのか?カザフスタンではどこに行く予定だ?などと質問も色々してきた。

そして北京でも取得出来なくて、ようやくこの地でカザフスタンのビザが取れたのだ!

こんだけ苦労したんだから、さぞかし楽しませてくれるんだろうな~、カザフスタン

 

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中央アジアで日本国パスポートは無敵なのだ》

その後ジュンミンと合流し、彼女のキルギスビザの申請に付き合った。

俺もカザフスタンの後勿論キルギスタンに行く予定だが、何と日本国パスポート保持者は観光ビザなしで60日間滞在できるのだ!

他の欧米人もジュンミンと同様にビザの申請の必要があり、どうやら日本人だけが特別扱いらしい。実はカザフスタンもビザ申請の手続きは必要なのだが、申請費用は日本国パスポート保持者に限り無料であった。

カザフスタンの無料ビザといい日本と中央アジア諸国はODAという絆で強い関係性がある事を始めて知った。こちらはあまり知らなくても、相手方の日本への興味・親睦感はとても強く自分が勉強不足である事を思い知らされるが、同時に日本のパスポートの威力の凄まじさにも感謝する。

特にこの中央アジアはビザ取得が色々時間も掛かり面倒なので、他の国の旅行者達には羨ましがられ、妬まれた。

キルギスタンの大使館に着くとそこは寂れたビルの本当に端っこの一角の倉庫みたいな場所で、これが大使館?と思われるような爺さんのキ○タマのようなしおれたオフィスだった。しかも何とオフィス移転の為ここ数日間休業との事。

えっ~~~!!ってことはこれから数日間はビザの申請出来ないってこと?

他にちょうど同じ宿のイスラエル人達も来ており交渉していたが、門前払いを食らってしまっていた。ジュンミンも途方にくれ、結局ここで申請するのは諦めてカザフスタンに入ってからキルギスビザを申請することにしたみたいだ、可哀そうに。。

恐るべしキルギス大使館。。あー、よかった無ビザで入国出来て。

日本国万歳!! 

 

ウイグルイスラム地区は別世界が広がっていた❢》

一旦宿に戻ると、同じ宿のフランス人チャリダーのデルフィンという女性が、移動中に知り合ったウルムチローカルの中国人の男の子がウィグル人地区を案内してくれるので一緒に行かないかと誘ってきた。

面白そうだったので彼女について行くことに。案内してくれる中国人の男の子はまだ21歳の大学生のジャックといい、見た目が濃くウィグル人ぽかったのだが純粋の漢民族だという事。

ウィグル地区に行く途中にウィグル系の食事が食べられる食堂に行き、羊の内臓の料理ビールのオレンジ割りなど独特の物を頂く。そしてタクシーでウィグル地区に行くと、店・通りの感じや雰囲気がガラッと変わりそこは全くの異世界になった。

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ウィグル人居住区に入ると、文字も変わるし町の様相がガラッと変わる

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そこにマーケットみたいな場所があり、マーケットの脇にある広場の中心にミナレットと呼ばれる、仏教でいえば仏塔のような真っ直ぐ伸びたイスラム形式の塔が象徴的だった。

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堂々とそびえ立つイスラム文化の象徴・ミナレット。何かを想像させてしまう、、そう、何かを。。

この辺りでは、ブラブラと店を回ってもジロジロ見られる。

基本はフレンドリーな感じで話掛けてくる人達が多かったが、中には俺を漢民族と勘違いしてるのか指すような視線で攻撃的に見て来る男の集団とかもいたりした。ジャックは自分の都合の時間ギリギリまで我々をもてなし、移動に使ったタクシー代も払ってくれる紳士ぶり。

そしてこの地域の中国人の若い男の子としては、かなりめずらしいオープンマインドな感じで、中国政府の従来やってきたやり方や情報操作を厳しく批判し、もっと中国人は色んな事を勉強し、他の諸外国や内部のチベット・ウィグル自治区問題なども含めて理解を含め友好を深めて行かなければならないと熱く語っていた。

実に将来が楽しみな若者だと思った。

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ジャックとデルフィンとイスラム建築の前で。良い雰囲気のエリアだった

ジャックと別れ夜9:30頃宿に戻るとまた一人チャリダーが増えていた。スイスイタリアンの40代半ばくらいのおじさんで、もう4年以上チャリで世界を回っているらしく、日本にも9か月滞在したらしい。

世の中本当に色んな旅をする人がいるもんだ。特にこの宿にはここまで合わなかった濃い連中がわんさかといる。ここまで来るともうどんどん奥地に向かっている気がしてくる。

 

 

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