DavePerthのオーストラリア生活記&海外旅行記

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スマホも地図アプリも無くても冒険は出来た❕中国から中央アジア ~シルクロード横断ディープ旅~ 中国編⑯

 

敦煌ウルムチ>~砂漠の中の天然の不思議なオアシスに出会い、そこから民族の紛争渦巻く中国最後の州へ~

 

 

《宿のすぐ隣に幻想的な光景が広がっていた》

翌朝はのんびりと昼までネットしたりして過ごした。そしてチェックアウトした後、歩いて宿のすぐ隣の砂漠にある、月牙泉という観光スポットにいった。

120元という高い金を払って中に入ると、そこはイキナリ一面白砂の砂漠地帯が広がってた。ここの場所を有名にしている理由は、この砂漠地帯にポツンとある三日月型の自然の泉である。実際になぜこんな乾いた砂漠の中にそこだけポツンと水があり、また何万年も乾かずそして全く形を変えずに泉が存在するのか、未だに謎は解明されていないらしい。

中国に来るまでその存在すら知らなかったが、写真で見るとインパクトは有りそうだったので興味を持っていた。

さぁ、実際はどうなんだろう。とりあえず砂漠に入り月牙泉の方向に向かって歩いて行く。途中砂山を何か所か越えて行かなきゃならない。ここではラクダに乗って観光出来るらしく、ラクダの陳列が砂漠をゆったりと行く様はなかなか風情がある。

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ラクダの隊列。いかにも砂漠って感じが出てる

歩いていると一際大きな砂山に登って行く人達がいたので俺もそれに習いその山を登って行った。今日は雲一つない快晴で、その下に延々と広がる砂漠とのコントラストがヤバい。

昨日とはまた違った砂漠の風景に引き込まれながら登って行ると、右側の眼下にあの牙泉が目に入ってきた。なるほどこれか。確かに何もない砂漠にポツンと不自然に三日月方の泉があり何とも不思議な光景だ。そしてそのとなりに寺院が立っている。やはり見るならこの上からの角度が良く見下ろせていいな。

ここまで来たのでこの山の頂上までいってやろうと進んでいくが、徐々に角度が切り立ってきて、左側を見るとものすごい鋭角な角度で山肌が下に伸びていて、砂とは分かっていてもその鋭角さに高所恐怖症の俺はビビって足がすくんだ

下に戻るのも怖いし、上にこのまま上り続けるのも怖い。どうしようか軽くパニックになりかけたが、頂上にはさっき自分が登る前に登ってるのを見たカップルがいるので自分を落ち着かせそのカップルを目指してゆっくりとペースを崩さずにひたすら頂上だけを見て登っていった。

上の方に行くと徐々に崖が緩やかになっていったので上りやすくなり恐怖心も消えた。そしてようやく登り切り達成感と恐怖心を乗り越えた自分をほめたくなったが、ふと我に返るとこんな大した高さもないしかも砂山に何ビビってんだ!というもう一人の自分の叱咤する声も聞こえてきた。。

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砂山の中腹から見下ろすとこんな景色が。でも高さにビビってる俺。。

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あの頂上を目指すんだ!

《砂漠の真ん中にポツンと浮かぶオアシスの、不思議な湖の眺め》

ただ周りを見渡すと一面砂漠と青空が広がり、また西の方向には町まではっきりと見えこれは絶景だ。頑張って登ってよかったと思い写真を撮りまくってしまった。

そして帰りは来た道ではなく、月牙泉方面にショートカットしようと右側のゆるやかな崖を一気に降りていったら、砂が思ったより柔らかくどんどん体が沈んでいき、下に降り切る前に体が埋まってしまうんじゃないかというまた別の恐怖感が襲ってきた。中々下に辿り着かず、必死に埋まらないように足を持ち上げ早く回転させ最後は足がもつれて殆ど這いつくばりながらようやく下に降りる時が出来た。

そして思わず倒れこんでしまった。何やってんだ、俺。。

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砂山の頂上から見た景色。う~ん、広い!

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上から見た月牙泉。こんな砂漠の中になぜ永遠に枯れない泉があるのかは誰も知らない

パンツにまで入り込んだ砂を全て出し、仰向けに寝転んで見上げた砂漠の山と青空のコントラストは最高に素晴らしい。しばらく見入ってしまった。しばらくボーっとして砂漠と青空を眺めていると本当に敦煌に来て良かったな、と思った。ここは本当にゆったりした時間が過ごせる。


週刊 シルクロード紀行No.01 敦煌1


敦煌(新潮文庫)

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テーマは”砂・空・人”

そして今度は歩いて月牙泉を近くから見てみた。間近でみると水は思ったより綺麗ではなく、濁ってはいるが小魚も泳いでいたりする。この湖は少し離れた所から見るのが一番美しい。

心行くまで砂漠と空とオアシスを堪能して、大満足で宿に戻った。

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この~木、何だっけ? 何か歴史的に意味があったような無かったような。。

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間近で見た月牙泉の水。離れて見るのが一番!

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やっぱりこのくらいの距離が一番きれい

《再び移動❢ 道がひど過ぎて、DSを失くす》

宿に荷物を取りに戻ると、新たにチェックインした外国人の旅行者が一人いた。

アクセントからフランス人(のちに実際はイスラエルと判明)だと思われるやつで、こいつもこれからウルムチ経由で中央アジアに向かうらしい。

 

 

ただこいつは月牙泉にもフェンス乗り越えて金を払わず入ったり、しゃべり方からも現地人にリスペクトがなかったりして、典型的なダメなタイプの欧米人パックパッカーだと思った。(のちにこいつと二人で2週間弱も一緒に中央アジアの奥深くを旅することになるとはこの時は想像だにしてなかった)

 

そして夜7時になったので宿を出てバス乗り場まで行った。

今日はまた寝台でウルムチまで向かうのだが、駅までは大分距離があるのでバスにのろうとしたらタクシーか乗合いのミニバスしかなかったので、とりあえずミニバスに乗る事にした。

まだ客が俺しかおらずもう少し他の客が集まるまで待つらしい。確かに一回車を動かすのに一人では大赤字なので、待つのはこういう国のシステムではしょうがないけど、果たしてそんなすぐ集まるのかな?

案の定9時まで待たされたが誰もこないので俺一人で出発し、途中で4人組をつかまえて向かっていった。道路はものすごいラフロードをかなりのスピードで飛ばして行くので冗談抜きに大きな穴にぶつかる度に体が5㎝程浮き上がり頭も天井に打ちまくる。なんて乱暴な道と運転なんだ。。

駅に着くころには荷物の中身が散乱しまくっていて危うく眼鏡をなくすところだった。(後で気づいたが、長距離移動に重宝していたDSをこの移動で紛失してしまった。おそらく車の中ではなく空いていた窓の外に吹っ飛んで行ったと思われる。。)

今までと違いここの駅は田舎の駅といった感じで外国人も殆どいなく、どこのホームに行っていいのかもよく分からず地べたに人が座ってたりしている。ここには埃っぽくごみごみした、従来の発展途上国の姿があった。自分のベッドは中段だったが、やはり狭い。上か下がいいな、やっぱり。

 

《ついに中国の果て、民族闘争に暮れる新羅ウィグル地区へ》

ウルムチには朝着くかと予想していたが、思っていたより大幅に遅れ結局12:00頃着いた。

駅を降りるとここも結構な都会なので中国の地方都市の大きさに改めて驚かされる。

ここでも正確な地図が無いので道に迷う。なので前日ネットで初めて使ってみたウィキトラベルに乗っていたユースホステルにタクシーで向かってみた。

タクシーのおっちゃんは俺が中国語も話せないし、場所も良く分からないしで四苦八苦していたが、電話で人に聞いたりして宿をなんとか見つけてくれた。いい人だったみたいだ。ウルムチの最初の印象は悪くない。そして思ってたよりはるかに猥雑で騒々しい街という第一印象だ。

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ウルムチの車窓から。荒々しい大自然。後ろに見えるのは天山山脈

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ウルムチ駅前。思った以上にカオスだ。そしてついに漢字以外の文字が現れた!

4人部屋に案内されたが今の所まだ誰もいないようだ。

ロビーでネットをしていると、ここの宿には中国人もいるが色んな国の旅人がいるらしく、中央アジアに向かうかそちらから入ってきている人達だったので、いい情報交換の場となりそうだった。

この街には外国人旅行者の為の宿が少なく、また旅行者自体も少ないので返って仲間が出来やすそうだ。

そしてここまで来るとチャリで香港からヨーロッパを目指しているフランス人のおばちゃんや、他にもかなり濃い旅をしているツワモノ達が多かった。一緒に旅の話などをしていた韓国人のジュンミンという女の子とアジア系アメリカ人のおじさんサニーと連れだって散策に出かける事にした。

目指すは宿からも見えている崖の上の展望台だったが、サニーおじさんは片足が悪いので合わせてかなりゆっくりなペースで歩いていく。

目指す崖山は地元民の憩いの場になっており、長い階段を上って行く途中に公園やらお化け屋敷やら小さい遊園地みたいな乗り物などありミニテーマパークみたいになっていた。皆家族やカップルなどで楽しそうにしており和気あいあいとした場所だ。頂上まで結構時間が掛かり着くと辺りは人でごった返していて騒々しかった。

 

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ウルムチは大都会だが、崖山などの自然とコラボして珍妙な景観を作り出していた

そこで地元民に綺麗な英語で話しかけられた。彼ら3人組は見た目から中国系かと思われたが、以外にもウイグル族らしい。ビールでも奢るよ、と誘われたが、サニーが丁重に断り結局旅人3人で宿の近くの定食屋に行く事にした。

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ウィグル人達と記念撮影。どれがウィグル人か分かりづらいが、左からアジア系アメリカ人サニー・俺・韓国人ジュンミン・右3人がウィグル人である

もう店じまいをしていたのだが、親切にもウチラの為に何か出してくれるとの事。料理も旨くこの町もなかなかいい印象だ。仲間も出来たしなんか旅がいい感じになってきたぞ!

もう北京で一人寂しくウジウジしていた、あの頃の俺じゃない!

 

宿で遅くまで談笑していたら、ここで英語教師の仕事をさがしている若い男の子やオージー系キウイと日経3世のブラジリアンカップと仲良くなった。

このカップルはあの敦煌の宿”Zepher"で入れ違いだった(俺がチェックインするちょうど少し前にチェックアウトしてしまった)カップルで、彼氏の方のオージー系キウイはピーター、彼女の日系3世のブラジル人はエリアナで、二人は何とお互い日本に住んでて知り合い、そのまま付き合い始めたという。

そして日本での生活を終え二人で旅をしてヨーロッパへ渡りそのまま彼女の故郷のサンパウロに落ち着くらしい。

そんなこんな他にも旅行者と話したりして、今後の旅が良くなる予感を感じながら床に就いた。

 

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