DavePerthのオーストラリア生活記&海外旅行記

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スマホも地図アプリも無くても冒険は出来た❕中国から中央アジア ~シルクロード横断ディープ旅~ 中国編⑮

敦煌奥地の砂漠一日観光>~中国奥地の砂漠で過ごしたこの旅最高の一日と中国人旅行者との珍交流~

 

《中国人旅行者に囲まれて砂漠の世界へ》

翌朝起きて宿の周りを散歩していると、砂漠の感じが何とも言えず雰囲気が良く、またラクダ使いラクダの列隊を率いているところに出くわしたりと、のんびりと充実した時間を過ごせた。

そして宿のハンモッグでまったりしていると昨日お願いした、車で砂漠ツアーの時間になったのでフロントに向かうと、5分前にも関わらずもう皆集まっていて出発出来る感じだった。

昨日はレセプションの眼鏡君は、”明日の出発時間は一応12時なんだけど、中国人は時間にルーズだから他の人達が少し遅れても大目に見てね“みたいに言っていたのだが。。

 

今回は俺を入れて車をシェアするメンバーは4人。

運転手の隣には小太りの中年男性が一人、後部座席には20代半ばの女の子2人組が既に座っていて、プラス俺という面子。

眼鏡君が送り出しの際に、俺を指して皆に何かを言っていた。

おそらく、”この人は中国語が出来ないからフォローしてやってくれ“みたいな事を言っていてくれてたみたいだ。

こうして麗江以来の、”中国人による中国人の為の、中国語のツアー”が始まった!

何かワクワクするな。

そして助手席のおじさんは一人旅、後ろの女の子は北京から2人で一緒に旅行に来てるらしく、俺の隣の真ん中に座ってる子は新聞記者らしく、濃いメガネを光らせた昔の生徒会長タイプ、奥の子はふわっとした感じの結構好みの癒し系の女の子。2人共それなりに英語が出来るようなので、助かったと思った。特に奥の癒し系は結構上手にしゃべる。

 

《雰囲気ある映画村と空回りするオジサン・面白ろキャラを発見》

途中食べ物と水を調達し、最初に向かったのは古城を利用した映画の撮影所だった。40元と入場料は高かったが、ここは一発目なので入る事に。何故か一人癒し系の子は入って行かなかった。

何でもここの撮影所は日本企業が出資したらしく、ここで中国の時代劇などを撮るみたいだ。また日本の”敦煌“という映画もこの撮影所で撮られたとのこと。

期待してなかったが、イキナリここは結構良かった。

門から城壁の中に入ると古い時代劇風の街並みが広がり、また城壁の上からそれを眺めると砂漠の中にぽつんとこの小さな撮影村がありいい雰囲気だ。

そしてちょうどこの城壁の上で同乗者の一人の例のおじさんと一緒になり、写真とろうか?とオファーするとうれしそうにカメラを渡してきた。そしておじさんは同じような写真を角度を変え3枚とることをポリシーにしてるのか、殆ど同じ写真を3枚撮らされた。

そして今度は俺が取るよ、とばかりにカメラを交換し、当たり前のように俺の写真も角度を少しずつ変えて同じような写真を3枚ずつ撮っていた。。

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上から見た撮影村。荒野の中にポツンとあるのが印象的

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おじさんと写真の撮り合いをした一枚。この後幾度となくすることになる。。

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撮影村内部の様子。時代劇のセットがあちこちにあり、雰囲気が良い

言葉は通じないがニコニコとお互いの写真を取る感じは何とも和やかで、これをきっかけにこのおじさんとも打ち解ける事が出来た。(今後全てのスポットでこの3枚撮りが延々と繰り返される事になるのだが。。)

訪問者は少ないが、ここでは客が時代劇の衣装を借りて馬に乗って記念撮影をすることが出来たりして、子供連れの家族なんかは結構楽しんでいる。俺はこの中国の古い町並みを楽しんだ。そして正門の逆側の外に出てみるとそこで撮影が行われていた。

あの良く三国志とかでみるような戦い前ののろしのセットもあり、ちょっとワクワクした。今日の行程はおまかせなのでどこに行くのかもよく知らないが、しょっぱなから中々楽しめたぞ。

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のろしのようなセット。この後ろは何もない砂漠

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これから戦いが始まるのだ!

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撮影隊。これからどんなシーンを撮るんだろうか

撮影所を出て再び車に乗ると、その次の目的地は川沿いの岩壁に掘られた洞窟の壁画がある場所だった。

ここで癒し系ちゃんの体調が悪くなり、急きょ彼女は観光をキャンセルして別の車で宿に戻ることになった。そしてドライバーが呼んだもう一台の車が来るのを待っている間、彼女は更に気持ち悪くなり吐いていたりして、きつそうだった。

 

それを見て、どうしたらそういう発想が湧いてくるのか不思議だったが、例のおじさんが彼女の体調を心配してか、自分の荷物からゆで卵を出してきて彼女に差し出した。、、

っておいっ!砂漠でゆで卵は無いでしょ!しかも気持ち悪くて吐いている人に!

こんなカラッカラの砂漠でそんな胸焼けするパッサパサの食べ物を食べるわけないでしょ!!

 

案の定介抱していた生徒会長に、”そんなのいらないから“とにべもなくふり払われ、行き場の無くなったゆで卵を俺に差し出して来るおじさん。

本人は親切心でやっているのに空回りしてる姿を不憫に思った俺は、きっついなぁ~と思いながらもそのゆで卵を受け取り食べる俺。そうするとおじさんは、旨いだろう!?といった感じで得意げにニコニコと俺を見て来た。

めっちゃ胸焼けするよ、俺も気分悪くなりそう。。

と心で思いながらも笑顔で有難うとお礼を返す俺。あー、気持ち悪い。これは砂漠で一番食ってはイケない食い物だな。。

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この洞窟の中に壁画が描かれていた。ただこの後のゆで卵事件でここの事は印象が薄れ、一切覚えていない。。

そして例の癒し系ちゃんは無事新たに来た車にピックアップされ町の方に帰って行った後、そこからは運転手プラス3人で先を進む事になった。

 

《砂漠の奥にも感じた、モンゴルの脅威の歴史》

もう途中から完全な砂漠の世界になり、周りに何もない。時折野生のドンキーの群れなどが横切ったりした。こんなところにも生き物がいて、一体どうやって食料を確保してるんだろうと不思議に思う。

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野生のドンキーに遭遇!まさにびっくりドンキー!?

そして次に行った場所は砂漠のど真ん中にある、漢代に建てられた関所だった。

ここに入るとまず、博物館になっていて当時の様子をガイドが説明するのだが、それを中国人観光客に交じって一緒に聞くが全然分からない。これ以降生徒会長に通訳を頼み彼女と良くコミュニケーションと取るようになった。おじさんはマイペースでいつも一人でフラフラしている)

そして専用のトラックで建物の裏の奥側に行くと、高台に当時の関所があった。ここから北方面の荒野を一望出来るので、当時の難敵であったチンギス・ハーン率いるモンゴル軍の侵略を防ぐためだったと言われている。

こんな何もない所で延々と監視し、また水の確保などさぞ大変であったろうと想像出来る。そしてチンギス・ハーンのモンゴル軍は思った以上にここ中国では脅威として映っていたみたいだ。

日本史では元寇くらいの絡みしかないが、中国では歴史上常にこの北からの脅威に悩まされてきたらしい。また当時のモンゴル軍は本当に残虐で、色んな物を破壊し尽してきたとんでもない野郎どもである。(この後中央アジアでもその猛威の足跡を感じる事が多々あった)

 

{{中国と言えば今も昔も、帝国主義の万年いじめっ子という印象が強いが、今ではいじめられっ子側のモンゴルにこんなにも脅威を感じ震えあがってたなんて意外であった。}}

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何もない砂漠に立つ関所跡

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こんな所から当時モンゴル軍の襲来にそなえて監視をしていた

《更に砂漠の奥へ奥へ》

この後車は更に奥へ進み、この辺になると他の中国人の観光客などもめっきりいなくなった。

次もまた別の漢代の関所だったが、ここはただ何もない荒野の真ん中に風化した関所跡がポツンとあるだけで、寂しい印象だ。

 

そして付近を歩いていると何やら遠くに鳥の鳴き声が聞こえた気がする。こんな砂漠の真ん中にいるわけないと思い、幻聴でも聞こえて来たのかと思った。それでもまた鳥のさえずりが聞こえたので、ちょっと高台に行ってその声がした方角を見ると、なんとそっちのほうにはまだ乾いていない湖みたいな水たまりが点々とあるのを発見した!

こんな所に水があるんだ!そしてやはりさっきの鳴き声は空耳ではなく本当の鳥だったんだ!その水たまりの周りに鳥が何羽が散らばっている。

あー、何かオアシスって本当にあるんだな、とちょっと感動した出来事だった。

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荒野の関所跡。前を行く生徒会長、そして更に前には例のおじさん

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鳥の声が聞こえると思ったら、こんな砂漠の真ん中にオアシスが!!

その後途中でかの有名な万里の長城の西端のポイントに寄った。

北京では特に興味が湧かず万里の長城には行かなかったのだが、思いがけずこんな所でかの有名な万里の長城の端っこを拝めるとは。と言っても本当に崩れかけの壁がまばらにあり言われなきゃかの万里の長城などとは分からないが。。

 


敦煌(新潮文庫)


週刊 シルクロード紀行No.01 敦煌1

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これを万里の長城と言われても、看板がなければ分からない。。

《砂漠の艦隊と荒野で見た人生ベスト3に入る夕日》

そしていよいよ最後のポイントのヤルタン国立公園に向かう。

道中黒い色をした不思議な山脈が砂漠の向こうに見えたりと何とも幻想的な風情が濃くなって行き、日が暮れ始めて反射した岩山の景色などが美しい。

そして公園内に入り、小さな博物館見たいな所で映像を見せられ、そこから国立公園のバスに乗り換えメインの奇岩群のポイントに向かった。

ポイントにつくと、そこは見事に道の左側に同じ方向を向いた細長い奇岩が並んでお、別称の”艦隊“にふさわしい景観だ。本当に綺麗に岩々が一定の方向を揃って向いており艦隊そのものだ。

そしてこれも不思議な事に道の右側には一切岩がなく完璧な砂漠が広がっている。何でこんな風になったんだろう、風化で岩の形が揃うのは何となく想像がつくが、なんで一か所に固まって岩が並んでいるのかはさっぱりわからない。

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奇岩群の上から砂漠を望む

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これぞ砂漠の艦隊、不思議だ

そこの岩に上ってみると見事に遠くが見渡せ、まさに見渡す限り一面の砂漠だ!

こんなに砂漠砂漠した景色は始めてかもしれない。ここはオーストラリアの”レッドセンター“と呼ばれる赤土の砂漠とは全く違い、グレーの砂が広がるいわゆる子供の頃イメージしていたそのまんまの砂漠の世界が広がっていた。

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子供の頃に夢見た世界、”ザ・砂漠”

今回の車の旅は薦められて事前の知識がゼロのままノリで参加したが、何も期待してなかったけどそれぞれのスポットが今まで経験した事ない魅力があり、本当に良かった。特にこの最後のハイライトのスポットは一番だ。

そして沈んでいく太陽と共に徐々に色を変えていく岩々が印象的だ。そしていよいよンセットタイム

思えばこんなに砂漠のど真ん中で夕日を拝んだことはない。海に沈む夕日は今まで腐るほど見てきたが、やはり地平線に沈む夕日は格別だ!特別感が半端ない。皆テンションが上がりここでも例のおじさんと写真の取り合いが始まった。

常に冷静な生徒会長もここではちょっとテンションが上がり顔が上気している。微妙に雲も出ているが、最後も何とか太陽が顔を出し満足のいくスペシャルなサンセットだった。

そしてここでサンセットを見ながら思ってたことは、このままここで火を起しキャンプファイヤーしながら星を見てテントで寝たら最高だろうなーということだった。今回はこのままみんなで車で宿に帰らなければならないが、いつかこうゆう所に自力で来て思う存分星を眺めてキャンプがしたいと強く思った。

それくらいここは素晴らしかった。

ここにまだ居たかったが、もう9時を過ぎているで(北京時間を中国全体で採用しているため夏の日の入り時間は遅い)名残惜しいが車で帰路へ。車の後部座席から無理やり上を向くと車内からでもやばい程星が見える

南半球に住んでいるので、久々に北斗七星をくっきりと見た。どこか5分でも車を止めてもらえば良かったが、なにか言い出せずそのまま帰ってしまった。ここで見ていればもしかしたら生涯最高の星空だったかもしれないのに。。

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砂漠の夕日にたたずむ俺。この時ばかりは感動した

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言葉はいらない。。

そして車はどんどん飛ばし町に戻って行ったが、途中かなりまだ町まである所でガソリンランプがつき始めたので、ここでガス欠で車とまったらどうなるかな?火でも起こして助けを待つのかな?などと想像したらワクワクした。

が、結局無事に何事も無く町に着き、マイペースな食いしん坊のおじさんの提案でヌードルを食べ、そこでラーメンを食べている間に先に帰ったドライバーの友人のタクシーに乗せて帰ってもらった。宿のまわりも星が結構見え綺麗だった。

 

今日お世話してもらった感謝を述べ生徒会長と別れ、部屋の外でボーっと涼んでいるとロンゲの宿のオーナーが何か俺に言っている。アドバイスを伝えようとしているみたいだ。結局彼は少し空いている俺の部屋のドアの隙間から、蚊が入って来るから閉めた方がいいとアドバイスしてくれに来ただけだった。。その為だけに5分以上ジェスチャーで一生懸命に諦めずに伝えてくれたのだ。。

なんという親切だろう。言葉の分からぬ俺にジェスチャーを何度も繰り返しただ蚊の事を心配してくれ、伝わるまでひたすらジェスチャーを繰り返すその心意気。ここは本当に親切な人ばかりで、今日一緒に行ったドライバー、同乗者共に皆いい人達でいい所だなーとつくづく思った。今日は中国に来てから一番幸せな日だったな。またここにはいつか来たい。。

 

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