スマホも地図アプリも無くても冒険は出来た❕中国から中央アジア ~シルクロード横断ディープ旅~ 中国編⑨
<北京滞在①>~大都市北京で麗しの女子大生と再会と地下鉄での衝撃~
《オリンピックスタジアムにはザ・中国という生々しい光景が溢れていた》
翌朝は早くから宿の周囲をブラブラしてみると、ここが本当に大都会北京かと思うくらい路地裏は小ぢんまりとして静かだ。
少し歩くとローカル風な食堂が空いていたので小籠包を指差し頼む。
するとおそらく俺が間違って団子もオーダーしてしまったらしく、朝飯からすごいボリューム。腹いっぱいで会計ではそれなりに覚悟していたが、何と7元という。これだけ食って100円ちょっとか。
北京では物価が高いと聞いていたが、食べ物はここ北京でも安いようだ。中国来て初めての小籠包も満足の一品。
そしてメトロに乗ってオリンピックスタジアムに向かった。
ここは昨年の2010年で使われた北京オリンピックのメインスタジアムですごく特徴的な鳥の巣をモチーフにした外観だ。中には金を払わないと入れないので外を回ってみる。
ここは一大観光地になっていたので、常に金儲けのチャンスを狙っている中国人が見過ごすはずはない。
そういった輩達は観光客相手に、変なオモチャを売っていたり(匍匐前進の姿勢でライフルを構えた歩兵がねじを回すと前に進んで行く、帝国主義丸出しのオモチャなど)、ミッキー?の偽物キャラクターの着ぐるみと子供が写真を取っていたりしていかにも中国らしい。
それにしてもこんな大胆な場所で誰も突っ込みを入れないのだろうか?
ここでは中国の地方からの団体ツアー客の年配グループが多く、皆添乗員が赤い旗を振っているのにぞろぞろついて行き、その頭上には赤いお揃いの帽子をかぶっている。
どんだけ共産党なんだ、旅行中に赤いお揃いの帽子って?
《ビザ申請に四苦八苦する》
翌朝はウズベキスタンとカザフスタンのビザ申請のため、各国の大使館が密集しているエリアに行く。そのエリアには本当にたくさんの大使館があり、とてもややこしく迷ってしまう。軍人達が付近の道を行進してたりして面白かった。
ウズベキスタンのビザ申請は各フォームや写真を提出しあっさり終わったが、迷って人に聞きながらカザフスタン大使館を探しだした。
カザフスタンのビザを申請しようとするが、必要書類に職場からのレターが必要とある。俺が調べた事前情報では数年前にいらなくなったはずだ!その旨を伝えるが、受付のバカ女は頑なな態度で、レターは絶対に必要の一転張り。
ちょっと待てよ、そもそもだいたいこんな長旅してる人間に職場も何もあったもんじゃないだろ!
”俺は今無職だからこんな旅が出来るんだっつうの!
しかもそもそもカザフスタンに行くやつなどは殆どが長期旅行者だろうが!
ここの大使館が情報をアップデートされてないだけだっつうの!”
が、どれだけ言っても全く向こうは取り合わないのでここ北京ではウズベキスタンのビザのみにして、カザフスタンのビザはウルムチでも申請出来るのでそちらですることにした。
あ~面倒くせぇ。
《満員電車で遭遇したザ・中国という衝撃の一場面》
そこから迷いながら一時間くらい歩くとようやくメトロの駅に着いた。
混雑したメトロに乗っていると、いきなり大音量で音楽が流れだしので、誰かの携帯の着信かと思い、さすが中国!携帯の着信も騒がしいな!と思っていたら、
何と曲のイントロの後に誰かがカラオケで歌いだした!!
満員電車でカラオケ!? 何なんだ? 一体何が起きてるんだ?
と思っていると、混んだ車内の中央の人達が一気にモーゼの十戒のごとく外側に流れて来て、ますます圧迫され息苦しくなったが人が多すぎて何が起きているのか見えない!
するとさっきの歌声が徐々に近づいてきて、人々の隙間から何とか除くと、歌声の発信源には2人の人物がいた。
一人は足の無い人で車椅子のような物に乗っており、それを押すもう一方の人がマイク右手に大音量で”ホイダラサイサイサイ~、ウリタラヨンチャッテ~~“といった感じで当たり前のような顔をして大音量で歌い、ガンガン満員電車の中央を突破していく。
そして通りすがりに人々から小銭を受け取っていく。。
そうか、
これはこういった物乞いのスタイルなんだ!なんてアイディアに富んで斬新なスタイルを確立しているんだ!
かなり強引だがこれは本当に良く考えられている。受け身でなく能動的な物乞い、いやここまで来るともはやパフォーマンスと呼ぶべきか。
朝電車に乗る為一人2元ずつ払っても一日中満員電車でこうしていればそれなりの稼ぎがあるんじゃないか?
そして人間同士の距離感が狭く、スペースがない満員電車の車内では路上以上に小銭を渡す確率が高い。これは初めて経験する物乞いのスタイルだったが、良く計算されており思わず感心してしまった。カラオケのこんな利用法を日本のカラオケメーカーが知ったらどんな反応をするのだろう。。
始皇帝 中華統一の思想 『キングダム』で解く中国大陸の謎 (集英社新書)
宿の方に戻ってまた付近を歩いていると、民謡のようなガヤガヤした音楽が聞こえてきた。その音楽が聞こえて来た広場に行ってみると、中国人の老人達が楽器を奏で何やら太極拳のような踊りを軽快に踊っている。そしてその周りには人だかりが。昆明で見たシェイプアップ系のダンス集団とはまた違い、ここではのんびりと楽器と民族的な踊りを楽しんでおり、どちらかというと人に見せている感じだ。踊りの内容はマイムマイムみたいのからワルツ・太極拳の動きなどをごちゃ混ぜにしたようなコミカルな感じで皆楽しそうに踊っていた。
俺は30分くらいそれを眺め続け、こうやって歳をとっても皆で協力して生きがいも持って楽しんでいるのはいいことだと思った。日本の老人も是非やってみたらいいと思う。こうやって老人が集団で音楽や踊りをいろんな形でやるのが流行っているのだろうか?中国では。その後またお気に入りの所でディナーを冷麺と串焼きで済ませて宿に戻った。
《韓国人才女との再会》
翌朝はDiana(英語名)という韓国人の女の子と待ち合わせて798芸術区というアート街へ出向いた。
このDianaという子はオーストラリア・ケアンズで知り合った子だ。出会いは俺がケアンズのイタリアンレストランでシェフとして働いていた時に、オーストラリアにワーキングホリデーで滞在してた彼女が掃除係のバイトとしてそのレストランで働いた事がきっかけだった。
彼女は21歳の北京大学の大学生。父親がビジネスを北京でずっとやっているので彼女自身も中国に10年以上住み、もう普通に中国で生活している。実は彼女にはケアンズの時に好意を伝えられたことがある。
ただ残念な事にケアンズの時には付き合ってた彼女がいた俺は、泣く泣くその好意を受け入れる事は出来なかったが、目下シングルの俺は淡い?下心もありつつ、彼女に北京に行く事は伝えてあった。
しかしそんな彼女は激忙しい医学生なので、忙しい中をぬってようやく北京に着いて数日が経ってから会えた。勿論忙しい彼女とそんなに時間は無く、エッチなことなど考えてはいないが、変わらない可愛らしい顔と少しムチムチしたいやらしい体を見るとどうしてもムラムラしてしまうのは仕方ない。
そんな気持ちを抑えアート鑑賞に励み、お互いの近況を色々と話しランチには北京に来たらお約束でしょ、と北京ダックを食べに行った。パリッパリの皮にジューシーなダックはやはりそれなりに旨かった。
彼女は最初から自分が俺におごるつもりでいたらしいが、彼女がトイレに言っている際に俺が恰好つけて会計を済ませてしまったが、想像通り中々のお値段なのでまた財政が圧迫されてしまった。。
でもさすがに10何歳も下の女の子に払わせるのはちょっと抵抗があったよ、いくら相手がお金持ちの女の子でも。。
忙しい彼女は帰らなければならないので、その北京ダック以上に美味しそうな後姿を見送り、自分はやることがないので昨日行った王府井という繁華街に行く。前日とは違う裏通りの方に歩いて行くと、整然とした表通りとは違い、いわゆるアジアの猥雑な屋台や怪しいものを売る路地に人が溢れかえっている。ある屋台にはサソリや昆虫の生々しい串焼きが売られていて、それを凝視していると、日本語で”美味しいよ”とか言われるので、ここにも結構日本人が来るのかなと思った。夕方宿の方に戻りいつもの隣の店でカレーうどんを食べた。