スマホも地図アプリも無くても冒険は出来た❕中国から中央アジア ~シルクロード横断ディープ旅~ ウズベキスタン編②
<タシュケント~寝台列車>~ウズベキスタンの首都で水のテーマパークを楽しみ、中央アジア初の列車の旅へ出発~
《ついにマタンとの別れがやって来た》
翌朝はゆっくり起き、荷物をまとめてチェックアウトをしてマタンとついにお別れした。
彼とは色々とあったが、今までの人生でこんなにもイスラエル人とガップリ四つで向き合って旅することもなかったし、これからも無いかもしれないので本当に良い経験になった。
そしてここまで食に対する違いがありながら、こういう国を一緒に旅する難しさも痛感した。俺は絶対ベジタリアンにはなれない、ただもし何か肉が食えなくなるような経験したらなるかもしれないけど。。
ちなみに彼らは少しこのタシュケントに残り何かユダヤ教のイベントに参加するらしい。本当にどこにでもいるんだな、ユダヤ人は。
とにかくいい旅一緒にさせてもらったぜ、ユダヤの民の友人よ!
グッドラック!!
《タシュケント街ブラと国民的伝統料理・プロブを食す》
そして流れ的にピーター&エリアナカップルと時間が合ったので、彼らと一緒に旅する感じになった。誰かと別れ、誰かとまた一緒に旅をする。ここ中央アジアではそんな繰り返しになっている。
カップルとは過去そんなに長く一緒に旅したことがないのでどうなる事やら。。
そして彼らと今晩ブハラという次の目的地に向かう夜行列車のチケットを買いに出かけた。
一番近くのメトロ(地下鉄)の駅はマーケットの裏にあるチョスルーの駅なのだが、ウズベキスタンのメトロには2つの特徴があり、まずは全て駅に入る前に警察官のパスポートチェックがある。
噂ではこの警官のチェックで外国人旅行者が難癖つけられ、乗せないようにして賄賂を求めて来たりするとの事だが、ここの駅の警官は3か国のパスポートをもの珍しそうにパラパラめくって、このスタンプはどこの国のものだ?とか興味津々で質問してきただけで笑顔で通してくれた。
ただこのパスポートチェックを毎回乗り降りする度にしなければならないらしい。
そしてウズベキスタンの地下鉄のもう一つの特徴は、駅のデザインだ。全ての駅が見事に仰々しい大理石で埋め尽くされており、各駅毎に全く違う趣向を凝らしたデザインになっていて、駅というより一つのアートか豪華な建造物といった感じだ。
これはこれで一つの観光名所にもなっているが、残念な事に写真撮影は一切禁止されている。デザインは地味な駅から本当にシャンデリアで豪華に装飾したものや、片や日本風の竹に花をアレンジした感じのデザインを施した駅もあった。
タシュケント中央駅のすぐ外に長距離列車の駅があり、そこで30000CMでブハラまでの夜行寝台のチケットを購入した。
その後ピーター達がプロブというウズベク流ピラフを食べに行きたいという事で、ロンリープラネット推薦の”ナショナルプロブセンター“というところまでわざわざ探して食べに行った。
プロブセンターを探している途中、男たちの行列がモスクの方から溢れ出て来たが、どうやら礼拝の帰りらしく俺はそちらの方に興味を注がれたが、ピーター達は興味ない様子でプロブセンターをひたすら目指している。
そして道が分からないので俺は道行く女の子達に聞くが、皆シャイなのか怖がっているのか逃げられてしまう。俺は基本的に道など分からないと現地の人達にすぐ聞いてしまい、それが色々なきっかけになったりするのだが、ピーター達はどちらかというと地図などを見直し自分達で見つけるといった姿勢だ。
彼らのスタイルはどちらかというと、ネット情報やロンリープラネットを駆使して事前に予定を立てそれに沿って旅するようなスタイルだ。カウチサーフィンも活用しているので割と冒険的ではない、あまり道から外れることの無い旅のスタイルをしてる風。
今まで一緒にいたスイスコンビやユダヤ王子とかはとにかくイケイケで、ノリで旅する行き当たりばったりタイプだったし、カザフスタンやキルギスタンがそういった破天荒な旅を煽るような環境だった。
ただここウズベキスタンは中央アジアの中では随一観光設備が整っていて、また観光資源も文化的見所もずば抜けて多い。よってここに来て少しスタイルが変わっていく感じがする。それはもう少し落ち着いて観光がメインになって行くような。
ではそれを退屈に感じるかというと、逆にウズベキスタンには建物や人の感じなど今までとは違った、新しい異質な匂いがプンプンするので実際はワクワクしている。
そんなことを考えながら探しているうちにようやくプロブセンターに辿り着く。よくあることだがピーターが”バイブル“と崇めるロンリープラネットの地図が大分ひん曲がっていたようなので、それを信じて歩いていた俺達は迷ったみたいだ。。
センターの前には俺の大嫌いな行列が出来ているが、割とすぐに中に入れた。中はだだっ広く適当に感覚を開けて無造作に置いてある長テーブルの上にそのプロブというピラフがどーんと皿の上に置かれている。
これはカザフスタンでも似たようなものをElran宅で食べたことがことがあったが、今このめちゃ暑いというより”熱い“7月に入ったウズベキスタンの暴力的な気候でこんな脂っこい飯が食えるかと思う。
しかしこのプロブはウズベキスタンの代表的な料理らしく、”ここへきたらこれを食べなきゃ!”的な感じなので取りあえず頂いてみた。まー要するに脂っこい肉系のダシの聞いた炊き込みご飯なのだが、味はまあまあだった。ただやはり気候のせいか中央アジア初期のElran宅でのプロブよりは箸が進まなかった。。
《あまりの暑さにウズベキスタン版サマーランドに行っちゃった!》
そして腹いっぱいになった後はあまりに暑いのですぐ近くのウォーターパークに行く事になった。これはウズベク版サマーランドと行ったところで、暑い夏休みの今は家族連れでごった返していた。
中は色んなプールがあって、ウォータースライダーなども何種類かあり思ったより全然洗練されている。なかでもその一つのウォータースライダーは、横から見てもほぼ垂直なんじゃないかと思われるほど急な直滑降タイプだった。
俺達もこれにチャレンジしてみたが、実際落ちる時はあまりの真っ直ぐな角度に、パイプの台の上を滑っている感覚は無く、体が宙に浮くのでそのまんまものすごいスピードでただ落下しているだけみたいだった。。。
いやー、結構な楽しめたな、この期待してなかったテーマパークも。
《寝台列車で砂漠を通り抜ける》
そして急いで泊まっていた宿に預けていた荷物を取りに戻り、またメトロに乗り長距離列車の駅にやってきた。
久しぶりの長距離電車にちょっとテンションも上がり、俺達を珍しそうに見てる家族の子供達と遊んだりしながら電車を待った。電車が来て乗り込むと予想以上に暑い、まるでサウナだ。
カザフ・キルギスと山あいで過ごす事が多く全体的に涼しかったり、あるいは山の方ではマイナス温度にもなっていたので急なこの気温の変化に体が悲鳴をあげている。。
ここではもっと奥の砂漠地帯の方に行くと50度近くになるらしい、、ってあのキルギスの山がだいたいマイナス10度くらいだとしたら、2週間以内に60度近くの温度差に対応しなければならないのかい!
これからきつくなるな、本当に熱い!
列車の内部は中国やベトナムの列車と同様に進行方向に対して横にベッドが2段設置されており、その2段ベッドが対になっており4ベッドでひとつのコンパートメントを形成している。
ただ違うのは、それにプラス進行方向に向かって左側は通路になっているのだが、その通路側の窓にくっつくように、更に2段ベッドが進行方向に向かって真っすぐにあるのである。
このスペースの活用というか最大限人を乗せる努力は買うが、いかんせんその補助ベッドは小さく狭く、また窓から突き出ているように設置されているので宙に浮いているというか、柵もないので寝返りを打ったら通路に落っこちてしまいそうになる。
それでもそっちも皆だいたい埋まっている。
俺達のスペースには、既におばちゃんが俺達下段ベッドに2人座っており、一人は図々しくも下の段を予約してる俺と交換してくれ的な事ジェスチャーで言って来て、あまりの当たり前のような図々しさにうん、オッケーとなりそうになったが、いやいやダメに決まってんだろ!俺は下の段の料金払ってんだ!と勿論突っぱねたが油断も隙もあったもんじゃない。
俺はトイレが近いため、空いている時は必ず下の段を取る事にしている。飛行機も通路側だ。なので下の段は決して譲れん!
そして電車が動き出すとすぐに消灯になりやることも無くなったので眠りに入った。