スマホも地図アプリも無くても冒険は出来た❕中国から中央アジア ～シルクロード横断ディープ旅～ プロローグ
～～プロローグ～～
この旅行記は２０１１年４月末から９月初めに掛けてオーストラリア永住権取得記念に、念願の中国・中央アジアのシルクロードを中心に旅した時の話である。
《旅のチャンスは突然会社の倒産と共にやって来た❕》
２０１１年、４月２８日。この日の俺は期待とバタバタの中過ごしていた。そう、ようやく念願の長期流行に行けるのだ！！ そしてこの約３年半永住権取得のために住んだケアンズともおさらば！旅行が終わったらそのままパースだ！！
思えば２０００年の１月以来移住したオーストラリアで中々永住権が取れず、最終手段として２００８年から永住権取得の為にやむを得ずサーフィンの出来ない町・ケアンズで過ごしたが、それも何と今朝で終わり！
昨年ようやく長年の気の遠～～～～～～～くなるような努力と忍耐が報われ、念願のオーストラリアの永住権を獲得した。そして働いていた職場も先々週急にビジネスクローズ（要するに潰れる）が決定になるという素敵な出来事が重なりようやくずっと待ち望んでいた長期旅行に行ける機会が訪れた！！
突然前触れも無く、職場がクローズするという経営者からの知らせに、周りの従業員はその経営者達の無責任な対応に怒りまくっていたけれど、俺にとってはもううんざりしていたこの波乗りも出来ない町・ケアンズにさよならを言う良いチャンスだったので、周りの他の従業員とは裏腹にその知らせを聞いたとたん俺の心は踊り出していた。
《この機会を逃してはならない、思い立ったらすぐ旅の準備を進めた》
俺は腹の中でこれ以上ないガッツポーズを作りながらも表面では皆に合わせ怒っているふりをしていた。しかしこのいい加減な経営者達のおかげで俺はケアンズを出て旅に出れるのだ！
そして旅が終わった後はそのまま愛する西オーストラリアの州都・パースに１０年振りに戻るのだ！ 今後の方向が決まるや否やそれまで腐敗し活動していなかった俺の脳は一気に蘇生し活発になり、瞬く間に次の準備の行動に取り掛かった。ケアンズを離れる事を知り合いなどに一斉報告し、色々とお別れの会や挨拶を済ませて旅に出る航空券を購入し、旅立ちの準備はあっという間に済んでしまった。
そして出発当日、気がはやりながら借りていた家の大家を待っていると、その大家がやって来て、最後のサインを契約書にしてすぐさまタクシー乗っかりイザ空港へ！
チェックインも無事に終わり、この小さなケアンズ空港から壮大なロマンの旅へ出発だ！
《スマホもネットにも頼らない、最後の冒険の旅》
尚、この2011年の前後は多くの人がスマホへの移り変わっていく過度期だったと思うが、自分も2012年からスマホを持ったので、この旅がいわゆるネット情報などに頼らない、体当たりの最後の聖戦の旅だった。
今となっては中々出来ない、地図・翻訳・予約サイトのアプリなんか何も使わない本当の意味での”旅”というか、行きあたりバッタリで先が分からないようなワクワク感溢れるような冒険だった❕❕
この先中々こういう旅を味わえる機会もどんどん少なくなってくると思うので、自分の記録としても残したく、またそういうのをこの旅行記を読んでくれる人がヴァーチャル・リアリティ的に楽しんでもらえれば幸いです。
＊旅の行程はシンガポールから始まり、ベトナムを経由して陸路で中国に入り、中国南部から北京に行った。そしてそこからシルクロードの出発点である西安に向かい、そこから西へ西へとシルクロードを旅した感じである。中国からはカザフスタン・キルギスン・ウズベキスタンと続いた。
シンガポールから西安までは割と普通の自由旅行と言った感じだったが、西安を越えてから突如旅は加速し、終わらないジェットコースターに乗ったかのような激しくディープな破天荒な旅へとなっていったのである。
