オーストラリア人の働き方&ホリデーの取り方~ライフバランス
<オージーの働き方を見習って個人的働き方改革をしよう!!>
昨今日本では働き方改革という言葉が飛び交っていて、少しずつ労働環境の改善が進んで行くような風潮が広がっています。ただそれでもやっぱり長年根付いた強い文化というか古い非国際的な体質が簡単に変わる事はないと思います。
日本にいたらそれが当たり前になっていて、体育会の部活動のように奴隷のような思考停止した殉じ方が正しい事・或いは唯一の選択肢だと妄信してしまっている人も結構いると思います。
ただそもそも日本の組織と個人の距離感って普通の先進国の感覚からしたら、特殊というか異常なんですよね。大学生が全国一斉に就職活動して、この21世紀に似たようなスーツに身を包み面接のマニュアルなんかを頭に叩き込んでいる事実は外から見たら常軌を逸脱した光景なんだという事を外に出て見ないと気づかない、という事自体が特殊なんですね。
日本人や韓国・中国系の人達と話していて、安易に『オージー働かないよね』という人がたくさんいます。確かに自分の担当をさぼってろくに仕事せずに時間になると帰ってしまう、という人も一定数いますが、ちゃんと勤務時間内は業務をこなす人もいるのであくまで人によります。
おそらく上記のような『オージー働かない』と言っている人達は、表面的に労働時間だけを見て、東アジアの感覚をそのまま持ってきて自分のバックグラウンドと比較して言っているだけです。ようするに偏向的で主観的な意見の場合が多いです。
そこで今回は一般的なオーストラリアでの働き方やホリデーの取り方を紹介して、ライフバランスの見直しや今後の海外移住などの参考に少しでもなればと思います。
雇用形態(コントラクト)の種類
オーストラリアで働くにあたって雇用形態(コントラクト)の種類はおおざっぱに言って3種類です。
- フルタイム雇用
- パートタイム雇用
- カジュアル雇用
上記の通常の会社に所属する場合の一般的な雇用スタイルの他に、ABN(オーストラリアンビジネスナンバー)を取得して個人事業主となり、コントラクターとして一定の会社から仕事を請け負う形で働くパターンもあります。
*分かりやすい例で言えばUberドライバーやUberEatsの配達ドライバー、或いは一部の旅行会社のドライバーガイドなどがコントラクター(またはサブ・コントラクター)に当たります。
まー通常は上記3種類のいずれかの契約で働く事が多いです。簡単に言えばフルタイムは週38~40時間(若干会社との契約によって違う)の毎週決まった時間数を働き、有給休暇も最低年に4週間分は取れます。
2番目のパートタイムはフルタイムの規定時間数が少なくなったバージョンです。会社によって時間数は違うんですが、契約で保証した最低時間数は保証されます。実際の労働時間がそれを下回った時も保証された給料は支払われます。そして有給休暇もシックリーブ(病欠保証)も勿論あります。
上記2種類はパーマネント契約(長期雇用で簡単にクビに出来ない)ですが、最後のカジュアルは最低保証の時間数が無いケースが多いです。そしてシフトの前日でも状況によって仕事がキャンセルさせる可能性もあり、また業務中に暇になったからといって途中で家に帰されることもあります。また、有給休暇やシックリーブの保証が無いケースがカジュアルの場合には多いです。(ホスピタリティー系の仕事にこのカジュアル契約が多いです)
カジュアルだとメリットが薄いように見えますが、実は時給は一番高いケースが多いです。なので長期間働くならフルタイムかパートタイムがいいけど、短期でガッと稼ぐなら忙しい時期にカジュアルで一気に稼ぐのが最適です。
あとオーストラリアでは日本のようにフルタイム信仰のようなものは薄いです。
社員・アルバイトみたいな括りではなく、単なる雇用形態の違いなので皆自分や家庭の事情に合わせて空いているポジションで働いています。
そして副業をやっている人も多く、カジュアルやコントラクターで副業をやっている人も多いです。なので一つの職場ではパートタイムで働いていると同時にカジュアルで別の職場で働いていたりします。或いは自分で働く時間を選べるUber系などの副業してる人も多いですね。
なので働き方がこうでなくてはならない!、正社員が偉い!、社会人とはかくあるべきだ!みたいな凝り固まった倫理観が無く、世間体でフルタイムを選ぶのではなく自分の状況に応じて色んな形で働いている事が一般的です。
休暇の取り方
一般的にフルタイム雇用の場合は基本4週間の有給休暇が保証されていますが、一気に取る人もいれば分けて取ったりする人もいるので、その辺は職場の状況や自分の都合に合わせて皆取っています。
例えば冬の時期に2週間取って、夏に海外に行くけど2週間では足りないのでもう1週間有給前借りして3週間行く、なんて事もお互いの信頼関係がある場合はやっているケースも稀にあると思います。
ここパースからは地理的な条件の良さもあって(3時間ちょっとのフライト)バリに行く人がめちゃ多くて、ひと昔前の関東人の熱海かっ!!ていうくらい猫も杓子もバリに行く感じですが、それ以外の海外に行く人は基本最低2週間は休み取っていく人が多いですね。
勿論皆有給休暇は絶対に取るので周りに気を使う必要なんてなく、当たり前のように数週間職場からいなくなります。僕も5週間くらいまとめて取ったこともあります。
シックリーブ(病欠保証)も多くの人が消化します。だいたい勤務年数が5年以内のフルタイムワーカーには一年間で5日間のシックリーブを認めている会社が多いですが、これ使わないと損なんです!
有給休暇は全日数消化しないでも翌年に引き続き蓄積されていくし、辞める時に未使用の有給休暇は金銭で支払われます。
しかしシックリーブは一年間で全部使い切ってしまわないとクリアーになってしまい、翌年に繰り越されないし、支払われないのでその前に無理やり消化する人も結構います。本当の理由はだるい、仕事面倒くさい、何かのイベントに参加する、などだったりしますが。。。
なので職場中に結構普段から病欠が溢れてるんですよ。それを見込んで人事も考えないといけないという難点も経営側には存在します。
あと、インフルエンザとかに掛かったり下痢が激しい時、咳がひどい時などは絶対に仕事場に来てはダメです!
体調悪い時に無理して会社来ても『頑張ってるな、根性有るな!』なんて誰も褒めてくれません!!!逆に他人に病原菌をまき散らすとんでもなく迷惑な奴です!!プロフェッショナルとは全く見られません!
一日二日アナタがいなくったって職場なんていくらでも回るんです!!なのでオーストラリアで病気になったらおとなしく家で休んで他人に迷惑掛けないようにしましょう。
そしてホリデーじゃんじゃん取って人生楽しみましょう!!
仕事場のイベント
オーストラリアでは職場と一労働者の距離感がアジア系のそれよりは離れているので、一般的に仕事後の飲み会などは少ないです。ホワイトカラー系で月~金の職場だと金曜の午後はミーティングと称して同じ課の人と軽く一杯やってそのまま帰ってしまう、という所もあったりしますが、午前様まで飲むとかはさすがにないです。
職場の人が皆集まるのはやはりクリスマスパーティーが多いんじゃないですかね。これはさすがに殆どの人が参加すると思います、一年に一度だけなんで。だいたい職場のクリスマスパーティーは12月の第一週か二週に行われることが多いです。
まず12月初旬に職場でパーティーして、中旬頃は友人達とパーティーしてクリスマス本番時期は一番近い関係の家族やパートナーと過ごす、という人が多いんじゃないですかね。
勿論会社の飲み会とかあっても若い女性社員にお酌させる、なんてのはもってのほかです!そんな事要求したら頭のおかしな人だと思われ人格を疑われてしまいます。逆にそういう社内のイベントの時は上級管理職の人間が率先して食べ物や飲み物を回したりスタッフ達に気遣うのが常識です。
《メルボルンカップは社内で盛り上がる》
オーストラリアではメルボルンで毎年11月第一火曜日に行われる、”メルボルンカップ”という大きな競馬のレースがあります。オーストラリア国内ではこのレースをTVで生中継するんですが、この日は毎年町のレストランやパブは数週間前から予約で埋まりおしゃれに着飾った紳士・淑女で賑わう程の国民的行事のひとつです。
以前旅行会社で働いていた時のとあるメルボルンカップの日、社内でメインのレースの時は業務をストップして皆でレースを見よう!とお達しがあり、場外馬券場とは別に社内の仲間内で小学生のお小遣い程度の金額で皆でお金出し合って賭けよう!となりました。(これはオーストラリアの職場ではメルボルンカップの時によくある光景です)
さあイザもうそろそろメインレースが始まるので皆で別室に移ってレースを楽しもう!となった時に日本人スタッフ2名程が会場に来ないので、CEOから彼女らを呼んで来てくれと言われたので、呼びに行ったら日系旅行会社からの電話応対に追われていました。
なのでさっさと切り上げて皆でレースを見よう!と引っ張ってきたのですが後でその件でその日系会社からはかなり嫌味を言われ、また日本人社会であの会社は業務中に競馬見て頭おかしいと言いふらされていたようです。。
いやいやいや、ここオーストラリアなんですけど。。そこら中の会社で皆集まってレース見てますよ。そもそもその電話の内容も数週間先の見積もりや予約の話でしょ。。
今じゃなきゃだめ?その電話、、??
こっちはCEO様が業務を中断して競馬見ろって言ってんだから。。
ま、なんてこともありましたが、会社のイベントは少ないですが盛り上がる時は盛り上がりますね。
あと社員旅行とかはやってるの聞いたことないです。
JOB DÈSCRIPTION・業務の役割に基づいた契約について
オーストラリアでは法律上雇用契約を結ぶときにJob Descriptionというのを書面などで明確にしなければなりません。
Job Descriptionというのは、その契約する労働者の仕事の役割を文面化した物です。そしてその役割の内容によって給料などが決まってくるので、基本的に自分の業務範囲と責任の範囲が決まっています。
なので経営者の都合で知らぬ間に給料は変わらないのに勝手に労働者の役割を増やしたりすることは契約違反になります。
例えば求人でNight Duty Nurse(夜勤の看護士)として募集してその役割で契約したのに、人が足りなくなったからといって何の話し合いも無く一方的に日勤に変えたりしてはダメなんです。契約の際に一般的なオールマイティーなナースとして契約していれば問題ないですけど、夜勤の役割で契約した人に日勤をやらすのであればそれは再契約をして待遇などを見直す義務が生じます。
なので基本的にはこの役割だからこの給料、というのが一般的な解釈で自分の労働条件には敏感な人が多いです。
まとめ
ざっくりとラフにオーストラリアの働き方について書いたのですが、少しでも移住を考えてたりする人たちの参考になればいいな、と。
今はオーストラリアやアメリカ・カナダというよりシンガポールなどアジア諸国で働いて移住の機会を考えている人も多いかもしれないですね。僕自身もオーストラリアの他にお気に入りのボルネオ島のマレーシア・サバ州に、将来的にもうひとつ拠点を置く事を計画していてマレー語を少しずつ勉強しています。
どこだろうが自分が幸せになれる環境に住む事が一番だと思います。
日本に生まれたからといって皆が皆日本が一番合うとは限らないので、自分に合った場所ってどこかに必ずあると思います。
引き続き次回以降の記事では移住について、または自分や周りが経験した英語の勉強法などにも書いて行きたいので、良かったらそちらも参考にして下さい!