ボルネオ島初上陸2016 ~目指せオランウータンとジャングル~③ 陸の孤島・無名のジャングル編
<Lupa Masaという無名のジャングルロッジで自然にどっぷり浸る>
《知られざるジャングルの奥地のエコロッジを目指す》
ブルネイからコタキナバルに戻った翌日、今日はLupa Masaという個人経営の、ジャングルの奥にひっそりとある小さな小さなロッジに泊まるために朝から荷物をまとめバタバタしていた。
取り合えず乗り合いバス乗り場まで行くが、目的地の途中まで行く朝の便は既に出発してしまったために、次のバスを待つが一向に人が集まらないので出発しない。。
そう、こういう国の乗合いバスというのはそもそも出発時間なんてあってないようなものである。未だに人がパンパンにこれでもか!と隙間がないくらい集まるまで絶対出発しない。今日行くLupa Masaというロッジに行くにはジャングルの真ん中にあるため自力では行けないので、案内人とPoringという村で待ち合わせをしている。
その乗り合いバスはPoringの手前のRanauという町に行くのだが、そこからまた違うバスを捕まえなくてはならないため、これ以上待つのは厳しくなった。
そこで交渉して、タクシーよりは安い値段で貸し切りでこの乗り合いバスをPoringまで直に行ってもらう事になった。
Poringにつくと、そこは本当にのんびりした村で店とかは一本の通りしかないのだが、向いに一軒のリゾートがあり、そこに何と温泉施設がある!この温泉施設は第二次世界大戦中の旧日本軍が開発したのをきっかけに、今ではリゾート地と温泉を提供してるらしい。
どこまで温泉好きなんだ、日本人!戦争中までも。。。
そこで待ち合わせの時間に一人の白人らしき20代後半から30代前半と思しき男が辺りをうろついていたので声を掛けると、やはり我らが案内人だった。
案内人の名はサニー。なんと俺が前住んでいたゴールドコースト出身で、彼はホテルマンだったので旅行関係で働いていた俺の元職場も知っていた❕ のでお互いに、
”What a small world❣❢"
と驚いた。本当旅をしているとこんな偶然にちょくちょく合うのでそう思う。
本来そのロッジはイギリス人のおっさんがオーナーで切り盛りしているのだが、今長期休暇をとっているらしく、このサニーともう一人の自然学を研究しているニックという同じくゴールドコースト出身の青年と二人でオーナーのおっさんの休暇の間ロッジをまかされたらしい。
そのロッジにはこの村から約2時間弱ジャングルをトレッキングして向かう事になる。
《そこは数キロ四方の人のいない世界だった》
一旦ジャングルに入ると、サニーはすいすいと歩いていくが、目印になるものも何もなく一人で迷ったらどうやって人気のある所に出たら良いか分からない。
それ程一気に人の気配が無くなり、鳥や虫の鳴き声しかもはや聞こえて来なくなっていた。
2時間弱汗びっしょりになってようやくロッジについてみると、迎えてくれたもう一人の管理人・ニックがいた以外は誰もいない。そう、今日は客は俺達2人だけみたいだ!!
ラッキー。でも本当にここは数キロ四方誰もいないみたいだ。本当にジャングルの真ん中って感じで俺達が止まるロッジも最初まさかこれ!?っていう質素なものだった。。
何せ吹き抜けで屋根以外横は何も無いのである。
ようするに虫だろうがハチだろうがヘビも他も何でもウェルカムのお部屋という事だった。。う~~ん、ザッツワイルド❢
荷物を置いたら近くの川に行き、水に浸かって汗を流したのは良かったのだけど、気づいたら脇の辺りから血が大量に流れていて、どうやら何かに噛まれ血を吸われたらしい。。
このボルネオにはTiger Leachというヒルの強烈な奴がいるのだが、それに早速やられたかもしれない。そう、忘れてはならぬが、ここはボルネオのジャングルの真ん中。何がいてもおかしくないのだった。。
サニーにも注意されたばかりだったが、
”寝る前必ずパンツの中をチェックしろ”
と強くアドバイスされた。何でも彼は数日前にキン○マをそのタイガーリーチことヒルの王様にやられたらしく、急所からいっぱい血を吸われしばらくかゆみが止まらなかったとの事。あ~~おぞましいっ💦
《ジャングル・ナイトウォークから初の小動物との出会い!》
そして夕方までまったりしてここでサニー手製のベジタリアンカレー(選択肢はそれしかない)をディナーに頂き、その後ここのメインアトラクションである、ナイトウォーキングに出かけた。
要するにヘッドライト一つでここの付近のジャングルを暗闇の中歩くだけなのだが、ジャングルは勿論夜の闇の中でこそ活動的になる生物が多い。ここら辺はオランウータンなどの大型動物はいないのだが、めずらしい小動物や昆虫類・ヘビなどがたくさんいる。
ニック・サニーそして俺達と4人全員でナイトウォークに向かった。
途中足場が悪かったりして良く前を注意して見ていないと、急に目の前にクモの巣と巨大なピンクスパイダーが現れたりして驚かされる。
この日の夜は虫や見たこともないサイズや色のクモなどは多く見たが、それ以外は中々見る事が出来なかった。
そう、ジャングルと言っても広くまた動物も警戒心が強いので、そう簡単にポンポンと動物が見られるわけではないのだ。
そして2時間ばかりのナイトウォークを終えコモンスペースでニックと色々と話をしていると、何と急にテーブルの上に奇妙な虫が落ちてきた!それを見て自然学者のニックは興奮して俺にその虫を持っていてくれるように頼み、自分は何個か持っている本格的な高級カメラのレンズを入れ替えたりして、血相を変えて戻ってきた。
そして彼はその虫をその本格派カメラの機能やレンズを入れ替えて、あらゆる角度や距離から何十枚と撮影をして、その撮影タイムは優に一虫に対し30分以上たっていた。。
この虫はそんなに自然学者を興奮させるほどなのか!?
その後また静けさが戻りニックとボソボソと彼の自然への愛や、インドネシアのスマトラ島での1年に渡るジャングルでの研究生活などの話を聞いていると、
ガサガサッ
と近くの木から音が聞こえた!?
ゆっくりそ~っと近づいてみると、何やら一つの小動物らしき固まりが木の上を行ったり来たりしている。
!!! 初動物か !!!
俺の安物ではなく、ニックの超高性能ヘッドライトでその方向を照らすと、何とやはり口がとがったような小動物が木の枝を這いずり回っているではないか?
あまりに暗いのではっきりとは見えないが、可愛らしい小動物であることに間違えない。
やった!!ここボルネオに来てジャングルで初の動物だ!!
真っ暗な中何とか安物の俺のデジカメで撮れたその動物の動画
P1000296 from Dave Yanagiba on Vimeo.
正直言って俺はその動物の名前も知らないし明確には認識出来なかったのだが、自然オタクのニックが部屋からボルネオ動物図鑑を持ってきてこれに違いない!と言っていたのは、下の写真の”Small Tooth Palm Civet"と言われるジャコウネコ科の動物だったらしい。
そしてまたそこでひとしきり興奮して騒ぎ、この夜のビール一本(酒好きの友人はここにある残りのビールを全部飲んだ)とフィルターで越しただけの雨水のみの宴は午前3時ごろ終わりを告げた。
あの窓も敷居もないコテージ?で眠りについたのだが、思ってた以上に熟睡出来た。寝る前は完全な暗闇の世界になったのだが、虫の音しか聞こえて来ない完全な静寂の中不思議な安堵感に包まれていつの間にか眠りに落ちていた。。
《幻の花・ラフレシアと日本軍が残した温泉施設》
翌日は俺の友人がコタキナバルに戻らなければならないので、ニックと俺で彼をジャングルの麓の村・Poringに送っていき、そのついでにこの村に咲いている、幻の花・ラフレシア(世界で2番目に大きいと言われなかなかタイミングが合わないと見れないとされているボルネオ原産の花)を見た。
その後ニックとも別れ一人で例のこのPoringで温泉に入ってみようと思ったが、屋外のこの小汚い温泉施設は意外と人も多く混んでいた。
それぞれ個別のスペースがあるのだが、なんとちょろちょろとぬるいお湯が垂れてくるだけで、体を入れても深さが脛程しかないので、無理やり体制を平らにしてお湯の当たる体面積を確保しているだけであった。。
これは温泉などでは決してない!!
その後その辺の森をブラブラしていると滝へ行けるトレイルの表示が出てきたのでそちらに向かい滝壺の天然プールに入ってみると、、、なんか足に絡みついてくる!!?
くすぐったいぞ!なんだ、、、
あ~~!!ドクターフィッシュだ!それも天然の!
俺の足の角質を狙って無数のドクターフィッシュが突いてくる。。周りの人達を見ると多少はくすぐったそうにはしゃいでいるが、俺の所に一番来ている気がする。。
そんなに角質多いのか?俺の足は?
中国の温泉施設のドクターフィッシュで乳首までやられた思い出(シルクロード横断・中国編⑧参照)が蘇ってきたので、ここは足だけ入る事にしておいた。
一通り足を綺麗にした後、そろそろ日も傾いて来たので暗くならないうちに我らが陸の孤島のLupa Masaに戻ろうとジャングルへ入っていく途中バナナのプランテーションを通過していくのだが、ここでジャングルに入っていく為の目印にしていた木材置き場からおそらく木材が消えていて、どこで曲がるか分からずに何と迷子になってしまった。。
そのまま広大なプランテーションを行ったり来たりして、このままでは暗くなって戻れなくなってしまう💦と少し焦りが出てきたところで、偶然今晩の客を迎えに行ったニックに合いそのままその新たな客のカップルとニックと共にLupa Masaに戻る事が出来た。
いや~~、ジャングル(まだジャングルに入る前だけど)って迷うと怖いね、皆同じに見えるから。。
そしてこの新しいカップルと俺という3名が今晩のゲストなのだが、このオーストラリア・シドニーから来たカップルはなんというか、今まで会ったことのない人種でぶっ飛んでいた。
そう、彼らは極度のヘビマニアで、色んなヘビを求めて旅をしているらしい。このサバ州に来る前はサラワクのジャングルでヘビ狩りをしていたらしく、今日の目的も勿論ヘビ。オーストラリアでも有毒・無毒関わらず何と自宅に常時数十匹のヘビを飼っているとのこと。。。
許可どうやってとるんだ!?近所に住みたくないぞ。。。
《ナイトジャングル再び!毒ヘビ祭り》
そんな彼らとニック・サニーを加え総勢5名で今晩も食後にナイトウォークに出た。
そこでそのヘビマニア夫はガイド役のニック・サニーよりも先に立ち、どんどんヘビを発見していく!いや、全く俺見えてなかったんだけど。。。
色々とニック達も小さな昆虫や鳥・多様なクモなどを見つけてくるが、やはりヘビに関してはヘビ男が一歩リードし、どんどん見つけてくる。その中でも大変危険と思われるViperと言われる小型のヘビを木の枝を使って捕獲し、その撮影会になった。
なんでもこのViperは体長の割に鋭く長い牙を持っているらしく、噛まれればこの血清もないジャングルの奥地ではまず間違えなく死亡に至るとの事。
よく毒蛇ランキングとかでオーストラリアのヘビがほぼ世界のトップテンを独占しているが、それでも血清やヘリコプタードクターの充実などで死亡率は50%以下だ。しかし有名度では今目の前にいるViper君はオーストラリアのヘビに負けてはいるが、その牙のせいで毒の周りが異様に早く、ここの環境を考えればオーストラリアのメジャー級のヘビ以上に殺傷能力が高い事になる。
ま、要するに今目の前のこいつは一撃で俺を殺す事が出来るという事。。。
そして捕獲したこのViperを専用のバッグに入れていくミスターヘビ男。今晩じっくり鑑賞を楽しんで明日また元の木に戻すとのこと。
おいおい、、それが逃げたらどうなるんだ?俺のコテージに近くなかったか?君達のコテージは!?
そんなこんなで昨晩以上に収穫があり興奮したナイトウォークであった。
そしてまた虫の音を子守唄に自然と心地よい眠りに落ちて行った。。。
成田からコタキナバルへの直行便有り
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